生産性が殺人の動機?こうした考えの終着駅は戦争しかない
障害という字は使いたくないのだが、代わりとなる簡潔な用語が見つからないので、失礼つかまつる。
重度障害者19人を殺した犯人に、死刑が宣告された。罪の報いと言って済めば簡単だが、問題は根深い。これで一件落着と思う人は少ないのではないか。何か割り切れないモヤモヤが残る。閻魔堂会議では、この殺人に関するさまざまなテーマが議論された。
その中のひとつは、殺人の動機である。
犯人の主張では、「生産性のない命には価値がない」そうじゃ。
これはヒトラーの優生学の思想であり、ユダヤ人ばかりでなく、障害者の大量虐殺へとエスカレートした根拠になった。おぞましい考えじゃが、これが実際に思想として力を持ち、民を、軍を、政治家を動かし、世界を悲惨な状況に追い込んだ。