【凱旋門賞】⑭着大敗マカヒキもはまった海外2戦目の落とし穴

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皐月賞、ダービー 激闘の疲れが抜けていなかった!?

 オルフェーヴルで開きかけた“凱旋門の扉”が再び閉じた――。

 これが海外遠征の難しさなのか。日本のオッズで単勝2・8倍の1番人気に支持されたダービー馬マカヒキは⑭着と大きく沈んだ。

 道中は外め6番手を進み、直線ではどれほど伸びるのか、と思いきや、残り400メートルの手前で後退。最後はテレビの画面から消えてしまった。

 マカヒキが「勝つ」と信じて馬券を購入したファンの多くが絶句したに違いない。

 これほどまでに負けると敗因を絞り込むのは容易ではないが、あえて一言で表すとすれば、これが「海外2戦目の落とし穴」ではなかったか。

 ダービーを勝った後、休養してから渡仏。前哨戦のGⅡニエル賞を制して、本番まで順風満帆かと思えた。

 しかし、これまでの日本馬の海外遠征を振り返ってみると、今回のマカヒキのように、2戦目では着順を落としているケースが大半なのだ。

 凱旋門賞でみても、10年ヴィクトワールピサがニエル賞④着で本番は8位入線(⑦着)、11年ヒルノダムールがフォワ賞②着から本番⑩着、同年ナカヤマフェスタが④→⑪着、12、13年のオルフェーヴルはともにフォワ賞①着、本番②着、13年はマカヒキと同じその年のダービー馬キズナがニエル賞を勝ちながら、凱旋門賞では④着止まりだった。

 もちろん、前哨戦と本番では相手関係が大きく変わってくる。だが、果たしてそれだけなのだろうか。

 今年、シャンティイ競馬場でGⅠイスパーン賞を10馬身差で制して“世界一”の座についたエイシンヒカリも、続く英GⅠプリンスオブウェールズSで最下位だった。近年は海外初戦で好結果を残すことは増えたが、連戦となるとパフォーマンスが落ちるケースが目立つ。

 これは何も日本馬に限った話ではない。

 例えば、セントウルS→スプリンターズSのパターンでは10年に香港のグリーンバーディーが②→⑦着、翌年に同じく香港のラッキーナインも②→⑤着。オールドファンなら87年にオープンの富士Sを圧勝してジャパンCで1番人気になった米国の名牝トリプティクの④着敗退を覚えているだろう。

 特に凱旋門賞前哨戦ウイークのニエル賞、フォワ賞からは中2週のローテーション。マカヒキでいえば弥生賞→皐月賞→ダービーはともに中5週。こんなに間隔を詰めて使った経験が一度もない。レース後、友道師も「初めての中2週がこたえたのかも」とのコメントが出ている。

 しかも、今年はレースが超タイトだった。千四通過が1分22秒57、千八が1分46秒98で、勝ち時計は2分23秒61のレコード。これはフランスに比べてはるかに芝が軽い日本競馬のような数字である。

 凱旋門賞は古馬との斤量差が3・5キロもあるとあって、近年の日本では「3歳時に行くべき」と考えるホースマンが増えてきた。

 だが、よく考えてみると、春に2冠を戦って好成績を残した馬がフランスに渡るのだ。

 マカヒキのダービーVは5月29日。その後、放牧に出たが、7月15日には早くも栗東トレセンに戻り、翌日からは坂路入り。この間、わずか1カ月半しかなく、激戦の疲れが抜けきらないうちに、しかも暑さがピークの時に調教を再開しなければならない。

 ルメールは「70~80%のデキ」とニエル賞の時に語っていた。そこからデキが上がっているように思えたが、大一番を前に疲れがドッと出たのだとしたら……。

 今年も夢はかなわなかった。だが、4歳の来年はもっと余裕のあるローテーションで再チャレンジできる。その時にはこの敗戦が大きな糧になるに違いない。

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