【菊花賞】レコードより18秒も遅い雨中の激戦 上がり馬キセキの勝因

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父譲りの重上手で鞍上も道悪巧者

 牡馬クラシック3冠最終戦の菊花賞を制したのはM・デムーロ鞍上のキセキだった。

 台風21号の影響で雨が降り続いた京都。不良というよりは“超不良”と化した今年の菊花賞の決着時計はなんと、三千メートル3分18秒9。昨年より15秒以上、レコードからは約18秒も差があったほどの遅い時計だった。

 道悪の得手、不得手はあるものの、一般的に競走馬は馬場が悪くなってパフォーマンスを上げる馬はいない。いかに下げ幅を抑えられるかだ。その意味でもキセキは血統的に適性があった。

 父ルーラーシップは現役時代、“稍重”以上に悪化した場合は〈4010〉で、香港では稍重のクイーンエリザベス2世CでGⅠ制覇を果たしている。

 また、不良馬場では金鯱賞、アメリカJCCで2戦2勝だ。その血統からきているのか、「後肢の力が凄くある馬。だからこんな馬場もこなしてくれた」とは父も管理していた角居師。早々と3角から脱落する馬も多かった中、最後までしぶとく脚を伸ばして極悪馬場に対応できたのはこの血が大きいだろう。

 さらに馬自身だけではない。パフォーマンス低下どころか、馬場が悪くなると勝ちまくるのがM・デムーロ。JRAの騎手免許を取得したのが15年。以降の芝重賞で重、不良の成績をみると、この菊花賞を含めて〈8248〉。勝率・364、③着内率は6割超えのハイアベレージだ。

「きょうはヨーロピアンのような悪い馬場だった」は皐月賞馬アルアインで⑦着に終わったルメール。そんな欧州競馬には慣れていたイタリアンは9Rから芝の特別戦を3タテ。最後はGⅠ制覇で締めくくった。まさに“雨男”らしい一日である。

 これでビッグタイトルを手にしたキセキは先々が楽しみになったことは確か。それも、こんな異様な極悪馬場で勝てただけに、さらに実績を重ねていけば、日本競馬の夢である「凱旋門賞を狙ってほしい」の声が上がってくるかもしれない。

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