平成4年<1>馬連1.5倍の「2強対決」は売り上げ大幅減に

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 近年、競馬でよく使われる言葉が「使い分け」だ。例えば、アーモンドアイとレイデオロはともにノーザンファームの生産で主戦がルメール。ドバイでもアーモンドはターフ、レイデオロはシーマクラシックへ。この2強は生涯、一度も対戦することがないかもしれない。

 平成4年のハイライトは天皇賞・春の“2強対決”。トウカイテイオーとメジロマックイーンである。

 テイオーは前年、安田隆(現調教師)とのコンビで、6戦無敗のまま皐月賞、ダービーと春2冠を制覇。骨折で秋は全休となったが、岡部に手替わりしたこの年の大阪杯も制し、7連勝で盾取りに向かった。

■「地の果てまで走れる」「天まで昇る」

 一方、マックイーンは前年の天皇賞・秋で1位入線→⑱着降着となり、ジャパンC④着、有馬記念②着と秋GⅠを全て落としてしまった。だが、こちらも始動戦の阪神大賞典で5馬身差の圧勝劇を演じる。

 さらに、テイオーの岡部が「地の果てまで走れそう」とコメントすれば、マックイーンの武豊は「こっちは天まで昇ります」と応酬。対決ムードは盛り上がった。

 単勝オッズはテイオー1・5倍、マックイーン2・2倍。いまだに平地GⅠで2番人気が2・2倍というのは他に例がなく、歴史に残る一騎打ちムードだったが……。

 今のようなエバーグリーンの馬場と違い、この日の京都は芝がかなり掘れてボコボコ。走るたびに土が舞うようなコンディションだ。

 パワー型のマックイーンには向く一方、距離、そういう馬場とも初経験のテイオーは苦しんだ。結果、連覇を決めたマックイーンから1秒7も離された⑤着に終わった。

 もしも、この2強で決まっていれば馬連1・5倍。このオッズにファンも手が出なかったのか、売り上げは前年から2割減の288億円。ちなみに、マックイーンがライスシャワーに敗れた翌年が442億円だ。「2強対決は馬券が売れない」ことを証明することになった。

 そのライスシャワーはこの年、ダービー②着で、菊花賞でミホノブルボンを倒す。シャダイカグラ、イブキマイカグラに次ぐリアルシャダイ産駒3頭目のGⅠ制覇だった。

 そして、この先の競馬は大きく変わることになる。

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