平成競馬の裏と表

【平成28、29年】競馬人気をさらに拡大させた新人藤田菜七子と武豊キタサンブラック

公開日:2019年4月24日 17:00 更新日:2019年4月24日 17:00

 この連載も残すところあと3年、回数にして2回となった。今回は平成28、29年を振り返る。

 この間、最も注目を集めたのは28年にデビューした新人ジョッキー、藤田菜七子ではないか。

 3年前に増沢(旧姓は牧原)が引退し、JRA所属の女性騎手はゼロの期間が続いたとあって、とにかく注目を集めた。

 JRA初騎乗の前、3月3日(木)に川崎でデビュー。1R⑧着、4R④着、5Rは頭差の②着、8R⑤着、10R⑬着、12R③着と勝利は挙げられなかったが、競馬場が取材制限の実施を表明するほど話題性は高かった。

 JRAデビューは5日の中山。師匠である根本厩舎のネイチャーポイントに騎乗して4分の3馬身差の②着と健闘。女性騎手のデビュー戦としては最高着順となった。

 先頭ゴールインは地方競馬が先。3月24日の浦和で3、6Rと連勝した。4月10日には福島9RでJRAの初勝利も。牧原の16年6月以来、およそ12年ぶりの女性騎手のVに場内は大いに沸く。

 5月15日に新潟12R飛竜特別でJRA3勝目。特別戦勝ちも牧原以来、14年ぶり。数多くの話題と記録を提供した。

 デビュー年はJRAで6勝だったが、翌年は14勝。そして3年目の昨年には27勝を挙げる活躍。今年3月からは女性騎手に対する減量の新ルールができたことで、永久に2キロ減の恩典が(平場戦のみ)。これからますます、記録を作っていくことだろう。

 その一方、“レジェンド”武豊も1頭の馬と出合って、大舞台の常連に復活した。4歳となったキタサンブラックである。

 28年は天皇賞・春、ジャパンCを逃げ切り勝ち。翌年はGⅠのみ6戦して全て1番人気に。大阪杯、春秋の天皇賞、有馬記念と4勝している。

 人気を集めたのはオーナーがサブちゃんこと北島三郎さん(名義は大野商事)だったことも大きい。ウイナーズサークルでファンと一体となって「まつり」を熱唱。その光景はまさに“祭り”そのもので、平成最後のアイドルホースといえよう。

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