【オークス】今年もある? ○→×→○パターンの大激走

公開日:2019年5月16日 17:00 更新日:2019年5月16日 17:00

13年メイショウマンボも

 過去20年間で単勝1000円以上の優勝馬は7頭。そのうち、99年ウメノファイバー=7人、02年スマイルトゥモロー=4人、04年ダイワエルシエーロ=6人、13年メイショウマンボ=9人の4頭には共通点がある。それは「○→×→○」の激走。勝って桜花賞に臨んで⑥⑥⑦⑩着と掲示板を外し、オークスで巻き返したのだ。ほかにも圏内入りでは03年に①→⑫着から②着のチューニー=13人らが。このパターンの大穴が今年は3頭いる。

アクアミラビリスさらに切れ味が増した

 アクアミラビリスの最大の武器は末脚だ。

 2走前のエルフィンSは強烈だった。10頭立ての少頭数で前半3~5Fが36秒2―60秒9のスロー。その流れの中、最後方から直線だけで差し切ったから驚く。

 繰り出した上がり3Fは33秒3。2番目より0秒9も速かった。しかも良発表とはいえ、午前中が稍重。それでの数字だからいっそう価値あり。

 勢いをつけて桜の舞台へ。しかし、この日は前有利の決着が続いたこともあり、[8][7][6]の位置取りで⑬着だった。

 吉村師は「勝ちに行く競馬をしましたからね。でも、いろいろと経験になったと思いますよ。今回、一発を狙うんだったら、しまいの切れを生かして」と話す。

 中間も順調。先週は新コンビの藤岡佑が手綱を取り、坂路4F52秒7―12秒2の自己ベスト。そして、きのうはCウッド6F83秒2―38秒9、ラスト1F11秒9。

 切れはさらに増した様子だ。あとはギリギリまで引き絞るだけ。

ノーワン勝負根性生かす

 ノーワンは父が有馬記念、ドバイシーマクラシック勝ちのハーツクライで、母の父が仏国ダービー馬カーリアン。近親にはダービー馬フサイチコンコルドがいる。初距離でも血統的にはむしろドンと来いと言ってもいい。

 デビュー以来、ここまで7戦を消化。使いつつ力をつけて、③③④③①着後にフィリーズレビュー①着同着で初タイトルを手に入れた。

 この時は平均ぺ―スの流れで内からこじあけてきた。勝負根性が生きる形が合っている。

 続く桜花賞は⑪着。スローの上がり勝負は分が悪い。しかし、タフな戦いになれば出番も。

 状態はマル印がつく。

 コース、坂路を併用しての仕上げ。週2本きっちりと追い切りを消化して、きのうは坂路4F52秒6―12秒6で元気いっぱいに駆け上がった。

「予定通り、馬なり。そんなに強いところをやる必要もないから。中間は長い脚を使えるような調整。力のある馬なので、天気が崩れるようなら逆にいいかな」(笹田師)

フィリアプーラいろいろ条件が好転

 フィリアプーラの桜花賞は⑮着。とはいえ、2カ月半ぶり、初めての関西遠征、最後方から直線では挟まれるシーン。いろいろと厳しい条件が重なった。

 今回はホーム。デビュー3戦は東京、中山、中山で③①①着。それぞれ上がり時計は最速タイ、最速、3番目だった。3戦目のフェアリーSでは後方待機策から直線で外に持ち出して、グイグイと伸びている。

 もちろん、ひとたたきで上昇カーブを描く。

 先週はCウッドで、長めからの併せ馬。きのうも、ウッド6F82秒3―39秒8、1F13秒6で併入。活気ある動きを見せた。

「まだこれからの馬でも、重賞を勝っているから、素質はかなり。だんだんと食いが良くなり、体が成長しています。前走時と比べて、毛ヅヤも一変。この馬なりに、変化を見せてきてます」(郷原助手)

 コンビの丸山は先週終了時点で30勝。重賞もフェアリーS以外に小倉大賞典、フラワーCで3勝と中身も濃い。

 ここは前進あるのみ。

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