高校生には向かない「ポイント近く」のプロ理論

公開日: 更新日:

横浜高校野球部コーチ・小倉清一郎 「続・鬼の遺言」】

 神奈川1位で出場した秋季関東大会準々決勝で横浜は佐野日大に3―5で敗れ、来春のセンバツ出場は微妙となった。冬は打撃を強化しないといけないと痛感した。

 ヤンキースのイチローの影響で、「作った左打者」が増えたことは前回述べた。これらの打者には特徴がある。利き腕は引っ張る方の右。ヤンキースなどで活躍した松井秀喜ら一部を除き、ポイントが前になる傾向がある。打球は利き腕で押し込んだ方が飛ぶ。総じて長距離打者が少ない。

 プロ野球の理論、打撃の理想でいえば、ギリギリまで球を引き付けて軸回転で打てば、打球は速くなり、遠くへも飛ぶ。しかし、このプロ理論が高校野球に浸透し過ぎて「引き付けて打て」と誤解して教えている指導者が実に多い。また、新聞などで読んで知識だけは一人前の選手もしかり。はっきり言うと、これは間違い。高校生のポイントは、ある程度前にするべきなのだ。

 プロと高校生では腕力などの体力、体の回転力等、全ての力が大きく違う。非力な高校生が無理に引き付けようとすれば、差し込まれて詰まってしまうのは当たり前。トップの位置からバットを使える距離が短くなるから、打球は飛ばない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産み落とされた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産み落とされた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗