VIPエリアだらけ! 「新国立競技場」の過剰なおもてなし

公開日: 更新日:

 いくら世界に「おもてなし」を約束したとはいえ、チョットやりすぎだろう。6年後の東京五輪に向け、約1700億円の巨額予算を投じて建て替えられる「新国立競技場」。著名な建築家らも「8万人収容の巨大スタジアムが本当に必要なのか」と疑問を投げかけているが、過剰な「おもてなしスペース」が設計に盛り込まれていた。

 事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)がまとめた基本設計条件案によると、新競技場の貴賓室や併設するラウンジなど「ホスピタリティー施設」に充てられる面積は2万420平方メートル。その広さは総延べ床面積(22万4950平方メートル)の1割を占め、競技フィールド(2万2000平方メートル)に匹敵する。

 ホスピタリティー施設の面積の内訳は別表の通り。数字だけではピンとこないかも知れないが、世界のトップアスリートが躍動するフィールドとほぼ同じスペースが、各国VIPへの「おもてなし」に使われることを想像して欲しい。いかに破格の広さかは既存の競技場と比較しても分かる。

 福岡の「ヤフオク!ドーム」の左右両翼には、バルコニーシート付きで国内最大級の貴賓室「スーパーボックス」(136室)がある。その総床面積は約7500平方メートルで、フィールド面積(約1万3500平方メートル)の半分程度だ。国内最大のサッカー専用競技場で02年の日韓W杯の会場となった「埼玉スタジアム」。ラウンジ併設のVIP席やレセプションホールなど「ホスピタリティー施設」の総床面積は約2000平方メートルで、こちらはフィールド面積(1万1230平方メートル)の2割以下である。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産み落とされた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産み落とされた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗