打者・大谷の「2ケタ本塁打」 二刀流じゃやっぱり無理?
球宴で日本人最速となる162キロを記録した日本ハム・大谷翔平(20)。投手としてはすでに球宴前の前半戦で9勝(1敗)を挙げているため、プロ入り初の「2ケタ勝利」はほぼ確実だ。
となれば、「二刀流」にかかる次なる期待は「シーズン2ケタ本塁打」。この数字は達成可能なのだろうか。
大谷はチームの前半戦83試合のうち、打者として52試合(145打席)に出場。5本塁打を放っている。約10試合で1本塁打の計算だ。残り60試合で5本塁打は実現できそうだが、実際には1週間に1度は登板機会があるため、後半戦は打者としての出場は1週間に2試合程度。ケガをせずこのペースを続けていけたとしてもシーズン終了までに打席に立てるのはせいぜい20~25試合。そこで5本塁打を放つには、出場4、5試合に1本ペースが求められる。前半戦を見る限り、「2ケタ本塁打」は極めて難しいといえる。
ただ、不可能を可能にするのがこれまでの大谷だ。
今月5日のロッテ戦(QVCマリン)では、1試合2本塁打をマークしたように、1試合複数弾なら一気に夢は現実味を帯びる。しかも、大谷の前半戦の本塁打は本拠地(札幌ドーム=2本)以外に、風の影響で左打者に右翼への本塁打が出やすいQVCマリン(2本)、狭い東京ドーム(1本)でマークしたもの。今後は札幌ドームの20試合だけでなく、QVCマリンで7試合、東京ドームも6試合を残す。大谷は残り試合の半分以上(計33試合)を「相性のいい球場」で戦える。2ケタ本塁打へ「追い風」は吹いているのだ。
昨21日のオリックス戦は代打で出場も右飛。もう1打席もムダにはできない。