元川悦子
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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

アウクスブルク宇佐美貴史 「貪欲にボジション奪取を」

公開日: 更新日:

 2016年夏に3年ぶりのドイツ再挑戦に踏み切った宇佐美貴史(24)。バイエルン・ミュンヘン、ホッフェンハイム時代以上の活躍が期待されたが、宇佐美を欲しがったバインツィール監督がシャルケへ移籍してしまい、今季から指揮を執ることになったシュスター監督体制下では、4試合の出場にとどまった。「試合をこなしながらブンデスリーガのスピードに慣れ、どんどん自分の表現したいプレーはやれていくだろうなと思ってたんで正直、予想外だった。あとケガも予想外でした」と苦渋の表情で打ち明けた宇佐美の「今」をリポートする。
(取材/サッカージャーナリスト・元川悦子)

■ハリル監督が突き放され…

 昨年11月15日の18年ロシアW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦(埼玉)は日本代表に招集されず、寵愛を受けていたハリルホジッチ代表監督からも、突き放された格好となった。

あのままG大阪で出番を与えられ、Jリーグでやって日本代表に選ばれ続けても何の変化もなかった。キヨ君(清武弘嗣=セビリア)や元気君(原口=ヘルタ)、真司君(香川=ドルトムント)といった海外でやってる選手たちには、及ばないとも感じていた。だからこそ海外に出て行った。苦しむかも知れないけど、絶対その方がいいと今も思う。普段の競争からレベルが違うし、シンプルに選手としての質が良くなければ(欧州トップリーグでは)使われることはない」と宇佐美は、自分を冷静に客観視している。その上で自分自身を多角的な側面から変えようと貪欲だ。

 食生活では「グルテンフリー」を始めた。

「食べるもの、飲むもの、寝る時間、寝るまでのサイクル、考えること、普段の過ごし方……。考えすぎてアカンかな? って思うくらい変えましたね。走ることに関しても下半身の筋力を上げることも重要やし、心肺機能を鍛える上で鼻呼吸、口呼吸のどっちがいいんやってことまで勉強したり……。積極的にアクションを起こしながら、自分の中身を変えてます。だから成長してると思いますよ」と彼は言う。

 チームの全体練習が終わった後、フィジカルコーチとともに自主練にも取り組むようになった。

「全体練習後、1人でボールを触ったりする自主練は前から結構やってたんですけど、フィジカルコーチをつかまえて負荷をかけたんです。『よくここまでいろんな苦しみを与えられながら、これだけやれるな』と思うくらい頑張りました。連鎖反応でチームメートがコーチと一緒にやるようになったくらい(苦笑)。俺が一番フィジカルの量をこなしました。いい感じですよ」と宇佐美は不敵な笑みをのぞかせた。

 彼を構想外のように扱ったシュスター監督は昨年12月14日に成績不振で解任され、下部組織を指導していたバウム監督が暫定指揮官に就任した。その3日後。宇佐美は今季初先発を飾った。

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