挨拶の行列が…燕次期HC候補“鬼の宮本”にナイン戦々恐々
行列の先には「時の人」の姿があった。
さる26日の東京ドーム。ヤクルトの選手が試合前練習を始めようとグラウンドでストレッチをしていると、三塁側のベンチにその人は腰を下ろした。来季、ヤクルトのヘッドコーチに就任するといわれる宮本慎也氏(46)だ。その存在に気付いたひとりの選手が慌てて挨拶に駆け寄ると、それを見た他の選手たちもストレッチの手を止めて後に続く。あっという間に「宮本詣で」の行列ができた。
選手たちはストレッチに戻っても宮本氏の方をチラチラ。落ち着かない様子で「本当に(コーチ就任は)決まっているの?」「もし決まったら、秋のキャンプから? あ~、行きたくない」と漏らしたり、「僕らは何も聞かされていないので、記者さんばりに(組閣が)どうなっているのかをいろんな人に聞いてまわっています」と“取材”する選手もいた。
その表情が一様に複雑なのは、多くの選手たちが宮本氏の厳しさを知っているからに他ならない。現役時代を共にしたナインの中には、身だしなみから練習に対する姿勢まで、細かく指導されてきた者も少なくない。要するに、「“鬼の宮本”が戻ってくる」と戦々恐々なのだ。
なお、最下位に沈むチームは28日、広島戦で球団ワーストタイの94敗目。借金は50に膨らんだ。