永田洋光
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永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に「明治大学ラグビー部、復活への軌跡」(洋泉社)などがある。

南アに“ジェイミー流”で屈辱ノートライ W杯4強逃した背景

公開日: 更新日:

 試合開始早々から、日本が仕掛けたアタックに首をかしげたファンも多かったのではないか。

 南アフリカが蹴り込んだキックオフを確保した日本は、いきなり田村優が松島幸太朗にキックパス。2分には、いい形でボールをキープしたところで田村が右端に待つ堀江翔太に超ロングパスを放る。これがスローフォワードと判定されて南アボールのスクラムに。

 南アは、そこからマカゾレ・マピンピが個人技で先制トライを奪った。

■キック多用、リスキーなパス

 これまでの日本は、アイルランド戦でもスコットランド戦でも、リスキーなキックパスや長いパスを封印。短くパスをつなぎ、いくつもの密集を制して、我慢強く攻めるのが特徴だった。ところが、南ア戦ではそうしたプロセスを省き、いきなり遠くにボールを運んでミスから失点したのだ。

 キックパスやロングパスでボールを一気に外に運ぶのは、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が就任以来こだわった戦い方だ。けれども2017年にアイルランドに連敗するなど、W杯まで一度も結果を出せなかった。だから、日本はリスキーなアタックを控え、相手防御に隙をつくり出すような戦い方を貫いて、勝ち進んだ。しかし準々決勝では、再びリスキーな戦い方に戻った。

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