妻にDV容疑も…阪神が守屋事件で露呈した変わらぬ大甘体質

公開日: 更新日:

「そんな理屈、今の時代には通用しませんよ」

 作家の吉川潮氏がこう憤る。

 阪神の中継ぎ右腕・守屋功輝投手(26)が、妻への傷害容疑で兵庫県警から書類送検された一件。吉川氏がその拙さを指摘するのは、阪神球団の対応である。

 23日発売の週刊文春が、2児の母である守屋の妻に対するDV、浮気について報じ、コトが露見した。その中身は、実にナマナマしいものだった。守屋に殴られたという腕には大きなアザがあり、さらに背後から殴られて転倒した際に頭を打ち付けた診断書もある。耐えかねた妻が出した被害届が受理され、書類送検に至った。

 守屋はホンダ鈴鹿から2014年ドラフト4位で入団。昨季は、中継ぎとして自己最多の57試合に登板した有望株だ。関西の放送関係者が解説する。

「阪神はこれを受けて守屋を事情聴取しましたが、守屋は妻への暴力、浮気行為を否定。球団は22日に文春報道を否定するコメントを発表し、キャンプ参加も問題なしと判断した。『白』だと結論づけたのです。谷本球団本部長も、『本人のプライベートのことなので、本人に任せるしかない』と“幕引き”を図ろうとしました。が、警察は暴行事件に当たる可能性があると、検察に送検している。いわばグレーの状態です。しかも、奥さんに対するDVというのも印象が悪い。白黒ついていない時点で『白』だと言い切り、キャンプに参加させる判断には、チーム内でも疑問の声が上がっている」

 たとえば、DeNAは元投手が未成年の女性と淫行疑惑が発覚した時点で、書類送検される前に無期限謹慎処分にした。刑事事件ではなくても、西武では未成年の投手の喫煙に対し、対外試合出場停止にしている。

「コンプライアンスが重視される昨今、阪神球団の対応にファンからの抗議が殺到。23日に急きょ、球団と守屋本人が釈明会見を開くことになったのです」(前出の関係者)

■妻の暴力、浪費癖まで暴露

 谷本本部長が出席して開かれた23日の球団の会見でも終始、守屋の言い分を信じる、というものだった。守屋の妻が日常的に暴力、暴言を吐いていたとか、浪費癖があるといったことまで暴露。守屋自身も記者会見を開き、騒動を謝罪した上で、「夫婦ゲンカはむしろ日常茶飯事だった」と妻の主張に真っ向から反論。送検容疑となった頭部への暴行についても否定した。週刊誌に対し、法的処置も検討しているというが、浮気の問題については触れなかった。

 前出の吉川潮氏はこう疑問を投げかける。

「どちらの言い分が事実なのか、今は司直の手に委ねられているのだから、それを待つしかない。ただ仮に、カミさんが手を出していたとしても、野球選手の体力、腕力ならどうってことないと思うし、何より球団が当人の言い分だけ聞いて『シロ』だと判断するのは乱暴だ。もし守屋が黒だったら、そのとき阪神はどう対処するつもりなのか。

 阪神が『シロ』だという決定的な証拠を持っているのならまだしも、結論を出すのは捜査の推移を見守ってからでもいい。それまではキャンプは不参加にし、二軍施設での練習にとどめるとか、対外試合に出場させないとか、そういう判断を下すべきではないか。コンプライアンスうんぬんが言われる昨今、処分は結論が出るまで保留する。一般企業ならそうした判断をするはずです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

  2. 2
    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

  3. 3
    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

  4. 4
    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

  5. 5
    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

  1. 6
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7
    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

  3. 8
    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

  4. 9
    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

  5. 10
    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず

    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず