孫崎享
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孫崎享外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

IOCは人命無視の“ぼったくり集団” 五輪に固執はカネのため

公開日: 更新日:

 世界中で新型コロナウイルスが蔓延している。日本はコロナ感染で、東京や大阪など10都道府県に緊急事態宣言が発令されている。世界でも、米国、イスラエルなど、ワクチン接種が進んだ国は沈静化が見られるものの、東南アジアでは再び感染拡大の傾向が見られるなど決して収まった状況ではない。

 にもかかわらず、IOC(国際オリンピック委員会)は7月23日からの東京五輪開催の姿勢を崩していない。

 コロナウイルスは世界各地で異なった異種株が発生している。従来よりも感染力が強く、病状も深刻化させる変異株もある。仮に東京五輪を開催すれば、これらさまざまな種類の異種株が日本国内に広がり、世界に蔓延させる可能性があるだろう。

 そもそも五輪をなぜ、今夏に開催しなければならないのか。

 日本国内では五輪で景気刺激をしたいという考え方があったが、外国人は無観客の方針が固まったため、この考えは消えた。

 ロイター通信は5月中旬に実施した企業調査で、五輪に対して「中止」が37%だったのに対し、「再延期」32%、「開催」30%だったと報じた。毎日新聞の世論調査でも「中止」は40%、「再延期」は23%。つまり、6割以上が今夏の五輪開催に反対している。

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