鈴村裕輔
著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

「米国プロ野球史上初の女性監督」が注目される本当の理由

公開日: 更新日:

 右翼から本塁への送球がそれ、一塁手の頭上を越える暴投となったものの、遊撃手のデレク・ジーターが所定の守備位置を超えて中継し、駆け抜けざまに本塁に投げて走者をアウトにする。

 ヤンキースとアスレチックスが対戦した2001年のアメリカン・リーグ地区シリーズ第3戦でジーター(ヤンキース)がみせた守備は、現在も「プレーオフ史上最も頭脳的なプレーのひとつ」として高く評価される。

 一方で、ジーター自身は「スプリングトレーニングでも行うこと」と謙遜する。また、1992年にヤンキース傘下のA級グリーンズボロ・ホーネッツの監督としてジーターを指導したトレイ・ヒルマンも、ジーターの動きこそヤンキースが大リーグからマイナーリーグまで一貫して取り組んでいる「ヤンキースに求められるプレー」を体現したものと指摘し、ジーター個人の資質とともに体系的な指導の成果である点を強調している。

■「FAから育成で強くなった」

 ヒルマンは、90年から12シーズンにわたり、短期A級からAAA級までヤンキース傘下の7つのマイナー球団を指揮した実績を持つ。「FA選手の獲得から選手の育成に方針を転換した90年代からヤンキースは強くなった」という体験に基づく指摘も考え合わせると、ヤンキースにおけるマイナー球団の持つ意味の大きさが分かるだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

  2. 2
    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

  3. 3
    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

  4. 4
    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

  5. 5
    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

  1. 6
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7
    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

  3. 8
    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

  4. 9
    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

  5. 10
    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず

    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず