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坂口安吾特集

半藤一利さん(右は東大ボート部時代)

喜怒哀楽のサラリーマン時代

半藤一利 東京新聞の試験会場に迷い文藝春秋を受験

近著、「文士の遺言 なつかしき作家たちと昭和史」(講談社)では、坂口安吾、司馬遼太郎、松本清張らの流行作家を担当した当時を振り返る。半藤さんが目撃した数々の“歴史的瞬間”とは――。 大学時代の4年間はボートに夢中でした。前年のヘルシンキ五輪はあと一歩で出場を逃しましたが、卒業の年は全日本選手権で優勝。それで仲間たちと東大谷川寮(群馬県)で酒盛りです。気付いたら大会の…

ザッツエンターテインメント

コーヒーがもっとうまくなる本特集

丼に山盛りのカラスミに味の素をかけるシーン(太宰治「グッド・バイ」)や鮮魚と酢飯の香りが漂う舞台(岡本かの子「鮨」)、へびの生き血と耳を切られる鮮血がおどろおどろしい小説(坂口安吾「夜長姫と耳男」)など。一見、コーヒーに合うとは思えない。ところが不思議なことに、希代の文豪たちの短編はちょうど1杯のコーヒーと相性抜群だ。 奇妙だが絶妙なセレクトの10編をご堪能あれ。(…

ザッツエンターテインメント

文豪の意外な素顔に触れる本

(朝日新聞出版 1800円+税) 「桜の森の満開の下」などの小説や、「堕落論」などのエッセーで知られる坂口安吾の作品群を、新たな切り口で読み直す論考。 安吾の全作品に通底する概念は「ファルス」であり、彼は一度たりともそこを離れたことがないファルス作家であると定義。ファルスとは、笑劇や道化などと訳されるが、安吾にとっては「戯作」こそがファルスと同義だったという。安吾は…

作家・半藤一利さん

喜怒哀楽のサラリーマン時代

半藤一利さん 入社早々に坂口安吾の自宅で1週間“同居”

8日目くらいに、群馬県桐生市にある坂口安吾さんの自宅に行くことになりました。それも偶然で、私が酒を飲めるから。原稿もできているから、取りに行くだけと聞いて出掛けました。 名刺も持たず、「文藝春秋から来ました、半藤です」と挨拶すると、安吾さんは「どういう字を書くんだ」と尋ねてきて、紙に書いて伝えました。お互いに疑いもしない。素人で、かしこまらなかったのが良かったのか…

作家・半藤一利さん

喜怒哀楽のサラリーマン時代

半藤一利 漫画家の加藤芳郎に渡された秘蔵のエロ本

坂口安吾さんとは会社に入って8日で出会い、それから2年、付き合いが続きました。 安吾さんは野球がうまかったですね。ポジションは三塁手。私は野球未経験でしたが、ボート部経験を買われて「おまえは運動神経あるだろう」と、文壇野球のチームに入れられた。何度か一緒に試合をしましたよ。石川達三さんがピッチャーでね。チームには舟橋聖一さん、永井龍男さん、北條誠さん……、よく覚えて…

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流されゆく日々

連載10109回 話を盛るということ

昔は作家といえば、坂口安吾とか、太宰治とか、野間宏とかを想像した。まあ、コント作家とか、漫才作家とかいったかたがたも少数いらしたが、作家といえば、おおむね小説を書く種族をさすのが常識だった。 「貧乏詩人」 とか、 「売れない作家」 などというのが普通の言い方だったと思う。 「有名作家」とか「無名作家」などという表現も少くなかった。両方とも小説を書く人の意味だった。…

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流されゆく日々

【特別再録】 記憶の中のカヤカベ教

かつて〈転〉を拒絶して各地を転々とした男のことを坂口安吾が書いていたことなども思い出さずにはいられません。 しかしこの〈胸替〉という言葉が特に深くぼくの胸に突き刺さってくるのは、ひとつのイデオロギーを捨てるということではなく、胸を捨てる、つまり心を捨てるというニュアンスを感じるからではないかという気がする。この言葉は、〈転向〉というどこかイデオロギーの臭いのする、自…

文庫あらかると

「鬼降る森」髙山文彦著

かつて日向を旅した坂口安吾が高千穂について記した一文には、往復36里もの山道を歩き隣村の女のもとに通う男の話が出てくるという。 中学生の自分に夜這いの手順を語って聞かせた祖母や、猪や鹿、山鳩や野兎などを届けてくれた猟師のトクさんなど、そこに生きる人々を描きながら混とんと矛盾の里・高千穂を描いた風土記。(小学館 620円+税)…

「愛のコリーダ」DVD発売中  発売元:紀伊國屋書店

観ずに死ねるか

愛のコリーダ(1976年 大島渚監督)

坂口安吾は随筆「阿部定さんの印象」でこう書いている。 「あのころは、ちやうど軍部が戦争熱をかりたて、クーデタは続出し、世相アンタンたる時であつたから、反動的に新聞はデカデカかきたてる。(略)それは世相に対するジャーナリストの皮肉でもあり、また読者たちもアンタンたる世相に一抹の涼気、ハケ口を喜んだ傾向のもので、内心お定さんの罪を憎んだものなど殆どなかつたらう」 ちなみ…

ヒットメーカーの手腕にかかる/(C)日刊ゲンダイ

三谷幸喜は低迷する大河を救えるか…16年「真田丸」を脚本

坂口安吾に「二流の人」と侮られた黒田官兵衛は、謀略をめぐらす腹黒い武将として描かれることが多かった。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」は、そんな負のイメージが強い戦国時代の脇役に、ジャニーズアイドルの岡田准一(33)を起用。新しい官兵衛像で歴史好きをうならそうともくろんだ。 ビデオリサーチ調べの視聴率(関東地区)は平均15%台。「八重の桜」「平清盛」の前2作は上回ってい…

「国家の主は国民」と指摘/(C)日刊ゲンダイ

注目の人 直撃インタビュー

改憲反対なかにし礼氏 「安倍首相は岸信介教の熱狂的信徒」

本の冒頭に出てくる坂口安吾の言葉も強烈ですね。<人に無理強いされた憲法だと云うが、拙者は戦争はいたしません、というのはこの一条に限って全く世界一の憲法さ。戦争はキ印かバカがするものにきまっているのだ>という文章です。 昭和27年に書かれた「もう軍備はいらない」の一節です。無頼派作家の坂口は戦争中、文壇中央から距離を置き、ほとんど沈黙していた。戦場に派遣されて、積極的…

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著者インタビュー

「らんる曳く」佐々木中氏

坂口安吾『堕落論』の通り、人間はそもそもぐうたらでだらしない。それを認めて肯定することが健康なんですよ。肉体は汚いものだし、汗も糞尿も垂れ流し、服も垢じみてボロになっていく。でもそういう時間の経過の中でしか未来をつくり出すことができない。それこそが堕落であると。ならば、堕落せよ、堕落を認めようと思うわけです。食べたり恋愛したりセックスしたり、生の営みそのものを肯定し…

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