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太宰治特集

2013年に自伝的エッセー「東京百景」を刊行

著作で読み解く芸人の“素顔と本音”

「火花」の2年前…又吉直樹がのぞかせた芥川賞作家の片鱗

上京して初めて住んだ三鷹のアパートは、たまたま太宰治の住居跡に建てられたものだった。太宰を敬愛する彼にはこういう偶然のめぐり合わせが多かった。太宰の本を自分の中に取り込みたい衝動に駆られ、文庫本のページを破ってそれを食べたこともあったという。 作家のせきしろは昔から又吉の才能を高く評価していた。又吉とともに自由律俳句の本を作り、又吉のために太宰治のイベントをプロデュ…

太宰治が好きな読書家としても有名な押切もえ/(C)日刊ゲンダイ

文芸誌デビュー作は絶賛 作家・押切もえは真剣「直木賞」狙い

モデルの押切もえ(34)は太宰治好きの読書家として、芸能界ではちょっと知られた存在だが、現在発売中の「小説新潮」1月号で自身2作品目となる小説「抱擁とハンカチーフ」を発表。曽野綾子(83)、筒井康隆(80)、北村薫(64)、林真理子(60)、角田光代(47)といった人気・実力・経験の三拍子が揃った作家陣と同列に名を連ねたものだから、どれほどの筆致かが気になるところ。…

写真はイメージ

街中の疑問

観光地を走る“アニメ列車” 著作権料はどうなっているのか

昨年の12月まで、青森の津軽鉄道が運行していた「人間失格号」(太宰治らの文豪をモデルにしたキャラクターが登場するアニメ「文豪ストレイドッグス」とのコラボ企画)は、車内にセル画やステッカーを展示。ヘッドマークにはキャラクターのイラストを使用していた。広報担当者によれば、「あれは県との共同企画。展示物やヘッドマークは県が負担し、ウチは乗車券に印刷したキャラクターの著作…

今週グサッときた名言珍言

「常識からハジかれている奴もおっていいし、無駄じゃない」(又吉直樹/TBS「王様のブランチ」3月14日)

「5年生くらいになってから、人前で明るく振る舞っている自分と、暗い部分とか、内面の自分との間に開きが出てきて、だんだん、しんどくなってきた」(NHK「課外授業ようこそ先輩」13年2月23日) そんな思いを抱え、出合ったのが太宰治の作品だった。太宰の小説の中に自分がいる。暗い自分のままでいいのだ。そう思ってのめり込んだ。 高校卒業後、上京した又吉が最初に住んだのは三…

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流されゆく日々

連載10109回 話を盛るということ

昔は作家といえば、坂口安吾とか、太宰治とか、野間宏とかを想像した。まあ、コント作家とか、漫才作家とかいったかたがたも少数いらしたが、作家といえば、おおむね小説を書く種族をさすのが常識だった。 「貧乏詩人」 とか、 「売れない作家」 などというのが普通の言い方だったと思う。 「有名作家」とか「無名作家」などという表現も少くなかった。両方とも小説を書く人の意味だった。…

ザッツエンターテインメント

コーヒーがもっとうまくなる本特集

丼に山盛りのカラスミに味の素をかけるシーン(太宰治「グッド・バイ」)や鮮魚と酢飯の香りが漂う舞台(岡本かの子「鮨」)、へびの生き血と耳を切られる鮮血がおどろおどろしい小説(坂口安吾「夜長姫と耳男」)など。一見、コーヒーに合うとは思えない。ところが不思議なことに、希代の文豪たちの短編はちょうど1杯のコーヒーと相性抜群だ。 奇妙だが絶妙なセレクトの10編をご堪能あれ。(…

マニアに知られた階段国道

新・お出かけ紀行

あのCMの舞台になった 津軽半島“本州の袋小路”の絶景珍景

津軽半島を「本州の袋小路」と表現したのは、この地に生まれた太宰治である。最果てのどん突き。あとは海に入るだけ。そこで源義経は、竜馬に乗って蝦夷地に渡ったという。そんな伝説に違和感を覚えないのは、津軽の景色がほかにはないものだからだ。 石川さゆりの名曲「津軽海峡冬景色」で「北のはずれと~」と歌われる竜飛岬。「風の音が胸をゆする」という歌詞の通り、一年中、10メートルを…

人生ナナメ読み文学講義

先手を打って“自己批判”が防御となる

太宰治の「人間失格」はそうした特権的な小説のひとつだろう。内容はフィクションだが、ダメ男が自己愛に満ちた自己反省を交えつつ、己の過去を内面の苦悩とともに告白するというスタイルは、まさに私小説の王道を思わせる。 主人公・葉蔵は、互いに欺き合いながら平然と生きている「人間」を恐怖し、「お道化」の演技を隠れみのに世の中を渡っていこうとするが、女性遍歴を重ね、金に困ったり、…

ベストセラー早読み

「夜を乗り越える」又吉直樹著

中学1年のとき芥川龍之介の「トロッコ」を、2年のとき太宰治の「人間失格」を読んで、近代文学にはまった。自分の中にある不安や異常と思われることが、小説として言語化されている。しょうもないことも書いてある。「こんなことを考えてもいいんだ」と思った。 以来、半端ではない読書経験を積んできた。芥川、太宰をはじめ、漱石、谷崎、織田作之助。現代の作家では、古井由吉、町田康、西…

ともに麻雀卓を囲んだ藤子不二雄Aさん

高橋洋子「のっぴきならない人生で」

悩ましいことばかりですが“たゆたう精神”が大事

蛸のように手足8本を食べ尽くしたら、新たに生えてくるのを待つのみといった描写があるのですが、太宰治がそうであったように、私小説は自分を食い尽くすつらいところがある。今回の執筆はそういった私小説とは異なり、あれこれ思案しながら、10人の登場人物を動かす楽しい作業でした」 今秋に山口で先行上映となる映画「八重子のハミング」では28年ぶりに銀幕復帰も果たす。 「また次の映…

「(500)日のサマー」

観ずに死ねるか

(500)日のサマー(2009年 マーク・ウェブ監督)

思い出すのは太宰治の「お伽草紙」にあるカチカチ山の一編。タヌキは美しいウサギに恋をし、湖上でウサギに殺される。タヌキは「惚れたが悪いか」と言い残し、ウサギは額をぬぐって「おお、ひどい汗」と呟く。ウサギもサマーも「恋愛は自由競争よ」とばかり自分の幸せを優先した。 トムが描いたサマーの絵が真実を物語っている。彼女は心の中に包丁を隠し持ち、山姥よろしく刃を研いでいた。恋…

姜尚中氏

著者インタビュー

「漱石のことば」姜尚中氏

「若いうちは夢中になった太宰治や芥川龍之介は、ある年齢に達すると読み直そうという気になりません。ぼくは熊本なので、夏目漱石は小学生のときから馴染み深かったのですが、高校時代、引っ込み思案になった頃から本格的に読みだしました。漱石は何度読んでも『あ、こういうことだったんだ』という発見があります。ダヴィンチ・コードならぬ漱石コードがあって、あちこちに言葉を仕掛けています…

ロックンローラー風にキメた木村みのるさん

あの人は今こうしている

GS「オリーブ」の木村みのるさん 今も仙台で生ドラム披露

正直、これにはガクッときました、ハハハ」 ■解散後は新沼謙治マネジャーに さて、太宰治や吉幾三の出身地で知られる青森県金木町(現・五所川原市)出身の木村さんは中学卒業後、集団就職で上京。スタンレー電気秦野工場で働きながら音楽を志し、ホリプロのオーディションに合格して退職。69年5月に結成された「オリーブ」のドラム兼ボーカルに抜擢された。 「同じ年の10月に発売された…

樋口裕一氏

著者インタビュー

「名著の読書術」樋口裕一氏

しかも、繰り返し、何度も味わえるんですよ」 太宰治の「人間失格」も、夏目漱石の「こころ」も、ドストエフスキーの「罪と罰」も、かじってはみたものの、読破できなかった人は多いだろう。そんな人にピッタリの読書法がこれ。 「まず、ネタバレで読むのはフェアじゃないという罪悪感を捨てましょう。あらすじ本、簡易版、本の巻末にある解説、映画などでストーリーを把握してから読めばいいん…

ザッツエンターテインメント

酒と酒場の本特集

JR青梅線御嶽駅から徒歩2分の「玉川屋」は築130年、かやぶき屋根の建物で、太宰治も訪れたという。地元の酒「澤乃井」で、稚鮎の天ぷらともつ煮がお勧めだ。 うるさいことは言わない。冷えたビールの後は、地酒の1合瓶で。何の変哲もないポテトサラダにごく普通の空揚げ、素朴なラーメンでシメる。登山後の至福のひとときをそっと見守ってくれるような店が心地よい。 酒飲みの究極の言い…

週末オススメ本ミシュラン

肩から力が抜けたアナキズム研究者

ここから感じられるのは太宰治的な「生れて、すみません」論法である。 非常勤大学講師をしている政治学者の著者は173センチ、52キロで自分のことを弱いと考え、さらに年収も100万円以下だと述べている。さらには、20代後半の女性を口説いたら激怒されたと書き、モテないことを嘆いている。 〈よりによってわたしのようなクズというか、かせごうともしない人間から好きだといわれたわ…

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新書あらかると

「芥川賞の謎を解く全選評完全読破」鵜飼哲夫著

芥川龍之介に傾倒していた太宰治は、その名を冠した賞の受賞に執着するが果たすことができなかった。最年少選考委員の川端康成の選評に激怒した太宰は、雑誌で反論し、川端を「大悪党」と罵倒、「刺す」とまでつづっている。 その他、受賞が社会的事件となった石原慎太郎の「太陽の季節」や最年少受賞者・綿矢りさ「蹴りたい背中」など、選評から日本の文学史を読み解いていく。(文藝春秋 8…

「あの道・この道」高峰秀子・瀬木慎一著

新東宝のプロデューサーが、昭和23年春の大作として、人気作家・太宰治書き下ろし、高峰秀子主演の映画を企画した。鎌倉で打ち合わせをしたとき、太宰は酔っぱらって「もっと飲ませろ、けち」などと怒鳴っていた。原作が半分ほどできたところで太宰は死んだが、ヒロインは丸顔で手足が細い女性になっていた。 「ちゃんとあの人、じろじろ見てたんですね、酔っ払ったふりして」と高峰秀子。故・…

「テラハ」でブレーク (C)日刊ゲンダイ

ギャルだけど一味違う? “新種おバカ”で売る今井華の戦略

この日、「スマホはブルーライトで副交感神経を刺激するので、寝る前は本を読むようにしていた」「太宰治さんとか夏目漱石さんとか王道の小説を読みたい」と話すなど、二言目には「チョリース」の木下優樹菜(27)やペニオク詐欺で芸能界から消えた小森純(29)のようなおバカギャルとは一線を画す発言も。ギャルだけど「バカ」じゃないという新種のようだ。…

GRAPHIC

「電車でめぐる富士山の旅」甲斐みのり著

さらに富士山信仰の拠点となる富士吉田では富士急行線「富士山駅」を拠点に名物の「吉田のうどん」の食べ歩きや、太宰治の富嶽百景の舞台となった御坂峠の「天下茶屋」(写真(下))のほか、地元の人に愛される総菜屋さんなどにも立ち寄る。 富士山の懐に抱かれた町々は、どこを歩いていても、富士山の存在が常に肌で感じられる。富士山の麓に広がる町歩きの魅力がたっぷりと詰まった新しい旅…

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