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井上ひさし特集

「こまつ座」代表の井上麻矢氏(左)と普天間かおり

今あるのはあの人のおかげ

普天間かおりが心動かされた 井上麻矢さんの沖縄への思い

ところが、話してみるとすごく芯が強くて、6年前に亡くなられた劇作家であり、小説家の尊父・井上ひさし先生の作品をとても大事にされていらっしゃることを知りました。 そして沖縄の現実、私の活動、沖縄への思いなどを話し、麻矢さんのお気持ちもお聞きするうちに、だんだん引き込まれていったのです。 「木の上の軍隊」は井上先生の「未完の遺作」ともいわれる戯曲。太平洋戦争末期、沖縄…

甘い恋愛ドラマのスパイス的存在

武井咲の鬼上司役 神野三鈴が発揮する“舞台出身”の持ち味

1992年にデビューして、井上ひさしや三谷幸喜の作品を中心に舞台で活動。これまでも連ドラのチョイ役、単発やBSドラマへの出演歴はあるが、主要キャストとして名を連ねたのは初めてだ。 「オトナの事情も複雑に絡み合い、売り出し中のお子ちゃまが主演を張るドラマが増える中、作品の質を維持するためにもバイプレーヤーの存在は大きい。姑や上司、母親といった役も必然と多くなり、以前…

人間が面白い

「姉・米原万里」井上ユリ著

後に万里はロシア語の通訳になり、ユリは調理師の勉強をして料理教室を開き、作家・井上ひさしの妻となった。 高いヒールに明るい色の服、大きなアクセサリー。見た目が派手で才気にあふれ、怖いもの知らずに見える万里だったが、少し臆病でもあった。新しいことを前に二の足を踏むようなところがあった。建築家の夢はあきらめたが、才能のおもむくままにものを書く人になり、その作品は今も読み…

こまつ座「紙屋町さくらホテル」

演劇えんま帳

井上ひさし作「紙屋町さくらホテル」問う 戦争責任の所在

1997年に新国立劇場のこけら落とし作品として井上ひさしが書き下ろし、以降、こまつ座で再演を重ね今回で4演目。今回はキャストを一新しての上演だ。演出は鵜山仁。ピアノ演奏は神崎亜子。 舞台は1945年5月、広島。移動演劇隊「桜隊」の先発隊として、“新劇の団十郎”と呼ばれた人気俳優・丸山定夫(高橋和也)と宝塚出身の園井恵子(松岡依都美)らが、米国籍の日系2世の神宮淳子(…

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流されゆく日々

連載10109回 話を盛るということ

野坂昭如、井上ひさし、みな私が同時期にNHKの放送作家をやっていた当時の仲間である。テレビの創生期だったから、どちらかといえばラジオの仕事のほうが主だった。 録音構成や、ニュース特番のドキュメント作家もいらした。音楽番組の専門家もいた。青島幸男や永六輔のように、みずから出演して人気を集めるタレント作家もいた。 (この項つづく) ――協力・文芸企画…

劇団民藝「SOETSU~韓くにの白き太陽~」

演劇えんま帳

劇団民藝が描く 日韓で引き裂かれた柳宗悦の矛盾と希望

井上ひさしの後継者として、評伝劇などで目覚ましい活躍をしている劇作家・長田育恵の新作「SOETSU~韓くにの白き太陽」。 取り上げたのは大正から昭和にかけて活躍した民芸運動の提唱者である柳宗悦。民芸運動とは日用品の中に「美」を見いだし、活用する運動で、それまでの美術史が黙殺してきた庶民芸術に光を当てた。宗悦はそれまで低級な陶器だと思われてきた朝鮮の白磁に価値を見いだ…

こまつ座「木の上の軍隊」

演劇えんま帳

こまつ座「木の上の軍隊」 苛烈さを増すオキナワの怒り

井上ひさしの「思い残し」を引き継いだ蓬莱竜太の脚本を、初演にも増して圧倒的な熱量の舞台として立ち上げた演出・栗山民也の「怒り」は、終幕に響き渡る「轟音」で沸点に達する。観客はその音に耳をふさいではならない。それは今の沖縄の「真実」なのだから。 27日まで紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA。★★★★☆…

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流されゆく日々

連載10019回 旅の始めはCMソング

考えてみると井上ひさしが『ひょっこりひょうたん島』を、野坂昭如が『うたのえほん』を、同じNHKのテレビでやっていたのだから似たようなものだ。なかでも忘れられない番組の一つが、『歌謡寄席』という風変りなバラエティである。 『歌謡寄席』は、当時としてはめずらしいふざけた歌番組だった。若手の落語家(たしかサンショウとかいう人だった)をキャスターにすえて、毎回、有名ゲストに…

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流されゆく日々

連載9969回 永六輔の残したもの

同世代のサブカルチュアの働き手として、井上ひさし、野坂昭如などとそれぞれの分野で仕事をしてきた仲間意識はある。永さんがTBSでやっていた番組に呼ばれて、しばらく『風に吹かれて』の朗読をやっていたこともあった。旅先で偶然に会ったことも何度もある。同じ雑誌で連載もやっていた。私の九州弁に苦笑しながらも、永さんは気分よくつきあってくれたのだ。 しかし、永さんが半世紀以上に…

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流されゆく日々

連載9923回 超高齢社会のイメージ

こんなふうに宗教家が長生きする現象を、故・井上ひさしさんは、 「ずるい」 と、書いていた。 しかし、目下の長命社会の現象は、必ずしも今後、永久に続くとは思えない。団塊の世代が津波のように通過していった後は、嵐の後の静けさというか、ある空白の時期が訪れるのではあるまいか。 元気で長生き、などと言う。それはすべての高齢者の夢である。しかし、夢がかなう人は少い。人は老い…

一葉を演じる黒木華

演劇えんま帳

二兎社「書く女」 陰影に富む女優・黒木華の圧倒的な演技力

井上ひさしの作品に、家族制度に縛られた一葉の不遇な生涯を笑いで包みながら明治という時代と切り結んだ「頭痛肩こり樋口一葉」という評伝劇があるが、永井愛(作・演出)の「書く女」は、自立した女性として時代に抗した一葉の生き方に焦点を当てている。 元士族の父と長兄が亡くなり、長女として一家を支える戸主となった夏子(一葉)は生活のために小説家を志し、新聞小説で人気を博していた…

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流されゆく日々

連載9823回 野坂昭如ノーリターン

同じ放送作家だったキャリアもあり、野坂昭如、井上ひさし、そして私などはどこかに同窓生意識みたいなものがあったような気がする。 『話の特集』でやった対談を、『対論』というタイトルで本にしたりもした。いま奥付けを見てみると、昭和46年発行となっている。四六判の本だが、定価390円だ。 出だしから延々とオナニー論などが展開されて、今読むと首をすくめたくなるようなアケスケな…

幅広く活躍する村井國夫さん

今あるのはあの人のおかげ

「演劇をトコトン教わった」村井國夫の原点は高校の1年先輩

■佐賀高演劇部の先輩で発声練習から照明、音楽まで… 辻さんは故・井上ひさしさん主宰の劇団「こまつ座」の所属で、舞台をメーンにしながら、映画やドラマにも出演されている名優です。 その実力は折り紙つき。2001年に「読売演劇大賞優秀男優賞」、02年に「紀伊國屋演劇賞個人賞」を受賞されたことからもうかがえると思います。 最初の出会いは、実家がある佐賀市内の県立佐賀高(現…

ザッツエンターテインメント

書物のアリ地獄に落ちよう編

20万冊もの蔵書があった井上ひさしは、床が抜けた経験から、図書館並みの書庫を建てたが、一介のライターには無理だ。また、物書きが残した膨大な蔵書は、その重荷に耐えかねた遺族の決断で、散逸してしまうのがオチなのだ。 幸せな永住地を与えられたのは、2DKに住んでいた評論家、草森紳一の蔵書である。草森は本の山に埋もれて死ぬという「本好きとしてはあっぱれな死に方」をした。そ…

「縁もたけなわ」松田哲夫著

編集者の著者は、井上ひさしに「ひょっこりひょうたん島」のノベライズ版執筆を依頼したが、具体化の可能性はどんどん薄れていく。そこで、原稿用紙に井上の書癖を真似た字で、井上の著作「江戸の夕立ち」をもじって「版元の苛立ち」と題した戯文調の手紙を送った。すると、「ひょうたん島大統領ドン・ガバチョの印」を押した「大速達」が届いた。著者の手紙を読んで笑い転げた井上が、小説「ひょ…

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気になる新刊

「がんになって生きるということ、死ぬということ」常蔭純一著

井上ひさし、本田美奈子、梨元勝、団鬼六など、彼らの終末との向き合い方と死にざまから、人生とは何かを学び取りたい。 (潮出版社 1500円)…

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