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野坂昭如に関する記事

裏街・色街「アウトロー読本」

傑作撰を締める「野坂に逢ってやってください」の言葉

70年代前半、学園祭でもっとも人気があったのが他ならぬ野坂昭如であった。中でも女子大から声がよくかかった。 「黒の舟唄」「マリリン・モンロー・ノー・リターン」という名曲がレパートリーにあったのも凄い。1972年、私が買ったLP「鬱と躁」は、野坂昭如が持ち歌の「バージン・ブルース」の一節、「ジンジンジンジン血がジンジン」と歌うたびに女子大生たちの嬌声が交じる、女子大…

週末に読みたいこの1冊

「男の詫び状」野坂昭如著

平成15年に脳血栓で倒れてから、長期にわたってリハビリのかたわら執筆を続け、昨年末に亡くなった野坂昭如。本書は、そんな野坂が「通販生活」の紙上で交友のあった著名人との間に交わしたやりとりを単行本化したもの。岸田今日子、妹尾河童、阿川佐和子、吉永小百合、小沢昭一、永六輔、筒井康隆、横尾忠則らからの病気見舞いとして書かれた手紙に、野坂が闘病を感じさせないキレのある返答で…

野坂さんと暘子夫人

野坂昭如さんへの愛と献身…暘子夫人が語った介護の日々

心不全のため、9日に亡くなった野坂昭如さん(享年85)は、最期の時まで原稿を口述筆記し、現役の作家としての生涯を貫いた。「それができたのは、妻・暘子さんの献身的な介護があって」ともっぱらである。暘子さんは昨夏、日刊ゲンダイで「妻からのラブソング」を5回にわたって連載。 「あの日以降、あれほど飲んでいたお酒をやめ、両切りのショートピースともお別れ。『ライオンなど強い動…

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流されゆく日々

【特別再録】野坂昭如ノーリターン

そんな旧時代の中に、突如として戦後の風を吹きこんだのが、野坂昭如の登場だった。 〈黒眼鏡の作家〉 〈プレイボーイ〉 などと、いかにもイカガワしさを身にまとって、野坂昭如は登場した。文壇の新人類といった感じだったのだ。吉行淳之介さんなどは、最初から好意的だったけど、それなりの風当りも強かったように思う。いわゆる良風美俗に対する反抗者として世にはばかるというのが、彼の…

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流されゆく日々

連載9827回 野坂昭如ノーリターン

そんな旧時代の中に、突如として戦後の風を吹きこんだのが、野坂昭如の登場だった。 〈黒眼鏡の作家〉 〈プレイボーイ〉 などと、いかにもイカガワしさを身にまとって、野坂昭如は登場した。文壇の新人類といった感じだったのだ。吉行淳之介さんなどは、最初から好意的だったけど、それなりの風当りも強かったように思う。いわゆる良風美俗に対する反抗者として世にはばかるというのが、彼の…

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流されゆく日々

連載9828回 野坂昭如ノーリターン

野坂昭如と私は、いつも違う意見をもっていた。お互いの小説観のちがいというか、作品への評価のスタンスがちがうのだ。 ふだんは早口で機関銃のように話す野坂昭如は、選考の席では比較的無口なことが多かった。 ときどき皮肉な口調で短い言葉をはさむ。それがまことに核心を射抜いた寸言なので、苦笑しながらも同意せざるをえないところがあった。 私たちは選考委員の中では、当時は若手とい…

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流されゆく日々

連載9825回 野坂昭如ノーリターン

私と野坂昭如の連続対談のシリーズである。雑誌「話の特集」に連載したものを『対論』と名づけて講談社から出版されたのである。当時の定価390円というのは、四六軽装版にしても安い。これが何十万部か売れたのだから、いまの出版界とは今昔の感あり。 その『対論』のなかで、一度だけ酔った私が彼にからんだことがあった。『服装』というテーマで語り合った時のことだ。その対談の話のきっか…

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流されゆく日々

連載9824回 野坂昭如ノーリターン

それを眺めてみると、このシリーズだけでも、圧倒的に多いのは野坂昭如の名前である。その中から1976年4月29日の『流されゆく日々』の文章を再録してみることにする。約40年ほど前に書いたものだ。 〈ワイセツ裁判への感想 野坂昭如被告に対する罰金の判決が出た。ワイセツの問題を政治の力で取りしまることの滑稽さは自明の理だが、といって居丈高に検察の無理解さをののしる気はな…

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流されゆく日々

連載9823回 野坂昭如ノーリターン

しかし、電話で野坂昭如さんの訃報を知らされたので、とりあえずその事を書く。 野坂さんと私は、ほぼ同じ時期に直木賞をもらった昭和ヒトケタ世代の物書きである。文芸ジャーナリズムに登場したのは、彼のほうが早い。『エロ事師たち』という卓抜な作品で一気に注目を集めた。 当時、中間小説誌といわれた雑誌が活気があった60年代の事である。「オール読物」「小説新潮」、そして「小説現代…

昨年12月に亡くなった野坂昭如氏

日本外交と政治の正体

野坂昭如氏も危惧していた 日本の政治状況は崖っぷちにある

例えば、「元祖プレーボーイ」と呼ばれ、作家であり作詞家の野坂昭如氏は昨年12月9日に亡くなる2日前、TBSラジオでこう発言していた。 「たった一日で平和国家に生まれ変わったのだから、同じく、たった一日で、その平和とやらを守るという名目で、軍事国家、つまり、戦争をすることにだってなりかねない」 「花の画家」の異名を持つ日本画家の堀文子さんも昨年、NHKテレビで「日本が…

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流されゆく日々

連載9826回 野坂昭如ノーリターン

今後もたぶん若い読者が目にする機会はないと思うので、もう少し野坂昭如の発言を引用しておこう。 野坂 ぼくは金がなければ相手をくどけないっていうんじゃなくて、相手にお金を上げなければとても安心できないってところがある。普通に女の子とつきあう時でも、常に何か物を上げないと駄目なようなところがある。物を上げるのはよくてお金はいけないっていう古い躾がぼくの中にあるんだ。街で…

作家の野坂昭如氏(左)と海上自衛隊観艦式での安倍首相

巻頭特集

野坂昭如氏ら戦前世代の「痛烈安倍批判」を聞け

焼け跡闇市派などといわれ、自由奔放でありながら、反戦への言論活動を生涯続けた作家の野坂昭如氏(享年85)が9日、亡くなったが、同じく戦争世代の作家、瀬戸内寂聴さん(93)が日経新聞でこんな追悼文を書いていた。 〈(たまたま)あなたの「シャボン玉 日本」という本を読み返していたところだったのです〉〈(ここであなたは)今の日本は戦前の空気そのままに帰ってゆく気配がすると…

野坂昭如さん

追悼・野坂昭如さん 時代を相手に暴れた「含羞の硬骨漢」

作家の野坂昭如さんが9日、亡くなった。享年85。昭和ヒトケタ生まれの「焼け跡闇市派」を自称。その活躍は執筆活動にとどまらず、60年代から70年代は「黒眼鏡の鬼才」と呼ばれ、メディアの寵児に。本紙でも75年の創刊時からコラムや小説を連載。歌手、タレント活動、CM、作詞、猥褻裁判、国会議員……と時代を相手に暴れまくった生涯だった。 「句点が少なく、読点だけで書き進める独…

自宅でリハビリを続けていた野坂昭如氏

作家・野坂昭如さんが死去 「火垂るの墓」などで直木賞

小説「火垂るの墓」や「四畳半襖の下張」裁判、ヒット曲「黒の舟唄」などで知られ、さまざまな分野で活躍した野坂昭如さんが9日に亡くなったことがわかった。85歳。 9日午後9時過ぎ、東京・杉並区にある自宅のベッドで、意識がない状態でいるのを妻が発見。その後、病院に搬送されたが、午後10時半ごろ、死亡が確認された。 1930年、神奈川県鎌倉市生まれ。小説「エロ事師たち」で6…

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流されゆく日々

連載10140回 対談すんで日が暮れて

「こんど稲垣足穂と対談をやるんだ」 と、野坂昭如に言ったら、あの人は大変だぞ、とおどかされた。 「おれも一度、対談やったことがある。あの人は自分より若い相手となると、キスしようとするんだ。おれも必死で――」 「逃げたのか」 「いや、結局、した」 その話がどこまで本当かはわからないが、なにしろ『少年愛の美学』の作者である。A感覚とかV感覚とかいわれると、困惑するだけ…

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流されゆく日々

連載10109回 話を盛るということ

野坂昭如、井上ひさし、みな私が同時期にNHKの放送作家をやっていた当時の仲間である。テレビの創生期だったから、どちらかといえばラジオの仕事のほうが主だった。 録音構成や、ニュース特番のドキュメント作家もいらした。音楽番組の専門家もいた。青島幸男や永六輔のように、みずから出演して人気を集めるタレント作家もいた。 (この項つづく) ――協力・文芸企画…

ザッツエンターテインメント

「猫と暮らす本」特集

(「我が家に猫がやってくる」) ほかに、片岡義男、横尾忠則、浅田次郎、長谷川町子、野坂昭如、伊丹十三、町田康など47人の作家と猫をめぐる短編集だ。(キノブックス 1500円+税) 爆笑問題の田中裕二の猫っかわいがりぶり満載のエッセー。 たとえば、朝起きたとき、猫のプルちゃんも著者とまったく同じ形で、手足の角度もぴったりに伸びをするのがカワイイ。テレビ番組に一緒に出演…

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流されゆく日々

連載10073回 師走の街に風が吹く

篠山紀信、阿佐田哲也、長嶺ヤス子、野坂昭如、吉行淳之介、畑正憲、深沢七郎、徳川夢声、木村伊兵衛、藤圭子、福地泡介、羽仁五郎、水の江滝子、伊坂芳太良、日影丈吉、高橋和巳、武満徹、平岡正明、生島治郎、松永伍一、川鍋孝文、松本清張、柴田錬三郎、富島健夫、石川達三、高畠通敏などなど。その一年だけで登場する人名を、いまの人たちはどれだけ知っているだろうか。現在も健在で、現役と…

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流されゆく日々

連載10072回 師走の街に風が吹く

(12月) ◇若い頃ってね、いい歌にヨワいんだ◇ブルガリアでうたう歌◇なにがCIAに挑む、だ◇野坂昭如氏と「ベルサイユのばら」見物◇対談ばかりなり年の暮◇「夕刊フジ」の担当は美人ですぞ◇「GORO」誌で名人戦に出場◇雀聖阿佐田、ハグキグマ畑に敗る◇テレビを見て心が痛む◇写真ってものは面白い◇深沢七郎さんはなぜイヌを飼わないか◇ブラジルの芝居は凄い◇頭痛がするときの…

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流されゆく日々

連載10064回 今週読んだ本の中から

1960年代後半、野坂昭如が「焼跡闇市派」を標榜したことに対して、私が「外地引揚派」を自称したことがあった。もちろんパロディーのつもりだった。 しかし、戦場での戦争とくらべて、外地引揚の問題は、どちらかといえばひそかに語られることが多かったように思う。 個人的にもかなり深くつきあった引揚体験をもつ作家、評論家、ジャーナリストなどは少くなかったが、ほとんどそれぞれの…

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