碓井広義
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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

壮大なスケールと見る快感に気づかされた「VIVANT」にたった一つ欠けていたもの

公開日: 更新日:

 17日に幕を閉じた、日曜劇場「VIVANT」(TBS系)。最終回の世帯視聴率は19.6%、全話の平均視聴率が14.26%だった(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。今期、平均4~5%台の連ドラが多かったことを思うと飛び抜けている。あらためて、このドラマを振り返ってみたい。

 まず驚かされたのが、長期モンゴルロケに代表される、壮大なスケールだ。圧倒的な砂漠の風景にも見知らぬ都市の雑踏にも、珍しいものを見ることの快感があった。

 次に自衛隊の秘密部隊「別班」という設定が秀逸だった。映画「007」や「ミッション:インポッシブル」などのシリーズを思わせる、ジェットコースター型の冒険スパイアクションの快感だ。

 そして何より起伏に富んだストーリーがある。原作は、演出を務めた福澤克雄のオリジナル。「半沢直樹」や「下町ロケット」の八津弘幸ら複数の脚本家が参加し、ハリウッド形式のシナリオ作りが行われた。高速の物語展開。伏線に次ぐ伏線。謎が謎のまま残され、迷路を引きずり回されるような快感を覚えた。

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