京成電鉄(上)オリエンタルランド株をめぐり、物言う株主に「資本のねじれ」を突かれる
京成電鉄の業績を見ておこう。23年4~12月期の連結決算は、売上高にあたる営業収益は前年同期比20%増の2226億円、営業利益は2.8倍の238億円、純利益は56%増の359億円だった。
新型コロナ禍で落ち込んだ鉄道やバスの需要がコロナ前の9割の水準まで回復した。持ち分法適用会社のOLCの業績拡大を受けて営業外収益が増えた。
しかし、株式市場の京成電鉄に対する評価はシビアだ。京成電鉄の時価総額(1月31日終値時点)は1.1兆円。OLCは10兆円。ほぼ10倍である。
京成電鉄が保有するOLC株だけで2兆円になる。京成電鉄の時価総額の実に2倍だ。
「京成電鉄を丸ごと買って、手持ちにしたOLC株を半分売れば、投下した資金がすべて回収できることになる」(M&Aに詳しいアナリスト)
京成電鉄とOLCのシナジー(相乗効果)も薄い。東京ディズニーリゾートはJR東日本が運行する京葉線舞浜駅の駅前にある。京成電鉄の沿線からはだいぶ離れている。