2012年春のキャンプで“特殊”な投内連携を試してみた
巨人で初めて迎える2012年の春季キャンプ。原辰徳監督に「好きなようにやっていいよ」と言われた私は、バッテリーコーチの仕事からはみ出ているかもしれない“特殊”な投内連係を練習で試してみることにした。
原監督はコーチのポジションを取っ払うことに積極的な指揮官だ。「抑え(投手)は誰がいいと思う?」や「一塁に誰を入れる?」など私の持ち場以外のことにも意見を求め、尊重してくれる監督である。
今年の巨人は「野手総合」が6人、その他に「ヘッド」や「野手チーフ」コーチもいる。当時から首脳陣が走攻守の全ての部門で意見を出し合うことを理想としていた。他球団を見渡せば、「自分のポジション以外は口を出すな」という指導者が多い。原監督には「チームが良くなるためのコーチングスタッフを選んでいる。それぞれのコーチみんなが話し合って良くしていけばいい」という考えがある。球団によっては「責任の所在が曖昧になる」という意見もあるが、私は原監督のやり方の方が、選手もコーチもやりやすいと感じた。
■2死二、三塁の想定で二塁手ゴロを一塁へ悪送球したケース