猪木氏“闘魂外交”再注目で際立つ「アベ外交」の無策…北朝鮮の独自ルートを元首相バッサリ

公開日: 更新日:

 政治人生も「燃える闘魂」だったようだ。1日に亡くなった元プロレスラーのアントニオ猪木氏(享年79)が、参議院議員時代に残した外交成果に注目が集まっている。

 SNSで称賛されているのが、1990年のイラクによるクウェート侵攻に伴い、イラク国内で人質となった邦人41人を救出した一件だ。外務省が難色を示す中、猪木氏は自費でトルコ機をチャーターしてイラクに赴き「スポーツと平和の祭典」と銘打ったプロレスイベントを開催したのだ。当時、取材に当たっていた政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。

「外務省はこの時、『猪木に何ができるのか』と冷ややかに見ていたようです。というのも、猪木氏は89年に『スポーツ平和党』を結成し、参院比例区で当選したばかりの新人。『数が力』の政界で人脈も後ろ盾も持っていないため、軽視されていた。ところが、猪木氏にはスポーツ界に独自の人脈があったのでしょう。あれよあれよと人質解放を実現してしまった。猪木氏からは『これこそが議員の仕事だ』という強い決意が感じられました」

“闘魂外交”の足跡は他にもある。94年から2017年にかけ、北朝鮮を33回も訪問。スポーツを通じて日朝間の交流を促進してきた。95年には平壌でプロレス大会を開催。13年は国会会期中に訪朝したため懲罰を受けたが、以後も粘り強く交流を続けた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  2. 2
    貧打に喘ぐ阿部巨人…評論家・秦真司氏が危惧する「坂本勇人の衰えと過度な主力依存」

    貧打に喘ぐ阿部巨人…評論家・秦真司氏が危惧する「坂本勇人の衰えと過度な主力依存」

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    ロッテ4年10億円男・中村奨吾が“不良債権化”…ファンは怒り呆れ、SNSは批判の大喜利状態

    ロッテ4年10億円男・中村奨吾が“不良債権化”…ファンは怒り呆れ、SNSは批判の大喜利状態

  5. 5
    西武・渡辺GM兼監督代行が「現場目線」のトレード模索 12球団ワースト貧打は松井監督時代より悪化

    西武・渡辺GM兼監督代行が「現場目線」のトレード模索 12球団ワースト貧打は松井監督時代より悪化

  1. 6
    伝説のサラリーマン投資家 日本株はバブルと呼ぶには程遠い「儲けるチャンスは大あり」

    伝説のサラリーマン投資家 日本株はバブルと呼ぶには程遠い「儲けるチャンスは大あり」

  2. 7
    眞鍋かをり「野党は文句しか言っていない」にツッコミ猛拡散 イベントで小池都知事と同席の過去

    眞鍋かをり「野党は文句しか言っていない」にツッコミ猛拡散 イベントで小池都知事と同席の過去

  3. 8
    “投手”大谷の「球速低下」と「二刀流断念論」との戦い…2度目手術後は“選手寿命激減”と米論文

    “投手”大谷の「球速低下」と「二刀流断念論」との戦い…2度目手術後は“選手寿命激減”と米論文

  4. 9
    蓮舫氏の東京都知事選出馬に右往左往、毒舌批判する《#パニックおじさん》って何だ?

    蓮舫氏の東京都知事選出馬に右往左往、毒舌批判する《#パニックおじさん》って何だ?

  5. 10
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」