武田薫
著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

スポーツのプロ化を広告代理店に委ねた競技団体と新聞社の変わらぬアマチュア体質

公開日: 更新日:

 戦前から、我が国のスポーツをリードしてきたのは競技団体と新聞社だった。厳然たるアマチュア時代で、プロとなれば別世界。金をまとめる、頭を下げる、国際関係……競技団体と新聞社が大の苦手な作業を代理店が買って出た……土足で営業に上がり込んだわけではない。

■代理店の職能にアイデアやモラルの視点はない

 電通マンは個人の資格で乗り込み、契約を取りつけ、会社の了解は帰国後だったという。もしノーなら個人の持ち出しだ。当時の電通にはSとかMとかIなど明治維新に出てくる人物の末裔が多く、上流階級で育った彼らはスポーツに通じていたからできた。

 博報堂も参入してJリーグ、ゴルフ大会、箱根駅伝まで仕掛け、日本はスポーツ大国になった。被告をかばう気はさらさらないが、電通なしにオリンピックも世界陸上選手権も開催できなかった。これからもできないだろう。

 しかし、代理店の職能にアイデアやモラルという視点はない。それを担うべき競技団体と新聞社は、腕を組んで見下ろすアマチュア体質のままで、いまもこの問題に触れようとしない。だから週刊文春なのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ダルビッシュ「サイドスローで日本ハム復帰」の可能性...かつて本人が語った“最悪最後、中継ぎも面白い”

    ダルビッシュ「サイドスローで日本ハム復帰」の可能性...かつて本人が語った“最悪最後、中継ぎも面白い”

  2. 2
    秋篠宮家が迫られる“悠仁さま広報戦略”の一手…急成長の宮内庁インスタと愛子さま人気で注目

    秋篠宮家が迫られる“悠仁さま広報戦略”の一手…急成長の宮内庁インスタと愛子さま人気で注目

  3. 3
    TM NETWORKデビュー40周年ツアーが千秋楽 生きる伝説3人でも直面する「老い」の現実

    TM NETWORKデビュー40周年ツアーが千秋楽 生きる伝説3人でも直面する「老い」の現実

  4. 4
    ダルビッシュ「日本ハムドラ1入団」の舞台裏…巨人が寝技で“4位指名画策”していた衝撃

    ダルビッシュ「日本ハムドラ1入団」の舞台裏…巨人が寝技で“4位指名画策”していた衝撃

  5. 5
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  1. 6
    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  2. 7
    自民“裏金”衆院議員44人の「新選挙区」はココだ! 政倫審拒否した全員を落選させるしかない【表付き】

    自民“裏金”衆院議員44人の「新選挙区」はココだ! 政倫審拒否した全員を落選させるしかない【表付き】

  3. 8
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9
    竹内結子さん急死 昵懇だった三浦春馬の死と自身の不調

    竹内結子さん急死 昵懇だった三浦春馬の死と自身の不調

  5. 10
    入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

    入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった