西武ルーキー渡部聖弥の記録に残らぬ貢献度…チームに染み込んだ“負け犬根性”を吹き飛ばす
バット一振りでムードを一変させた。
西武のドラ2ルーキー・渡部聖弥(22=大商大)が17日の日本ハム戦で殊勲の一打を放った。
チャンスが回ってきたのは1-3の五回、1死満塁の場面。お立ち台で「初球に甘い球が来たら、絶対に仕留めようと思っていた。狙い球を絞っていた」と話したように、先発・山崎の初球を狙い打ち。適時中前打は中堅手の五十幡が三塁に悪送球をしたことで、“走者一掃”の逆転タイムリーとなった。
ここまで打率.275、6本塁打、22打点。2000安打を達成したOBの山崎裕之氏をして、「前半戦を牽引していたのは間違いない」と太鼓判である。
そんな渡部の貢献度は数字だけでは計りきれない。西武は昨季、パ・リーグ史上ワーストとなるチーム打率.212で最下位に沈んだ。その前年も5位。すっかり負けに慣れてしまったのか、今季から就任した仁志野手チーフ兼打撃コーチは本紙にこう話していた。
「強いチームのプライドをナインに植え付けていきたい。これは『勝利を前提に試合に入る』ということ。相手を侮るわけではない。今の西武はまだ『試合をやってみないと、勝てるかわからない』と感じている選手が多いと思う。そうではなく、『自分たちは勝つチームなんだ』と、疑うことなく当たり前に思い、試合に臨む心構えが大切なんです」