「科学的根拠にもとづく最新がん予防法」津金昌一郎著
巷にあふれるがん予防に関する情報は、その多くが科学的根拠に基づいたものではない。本書では、国立がん研究センターで予防研究に携わる著者が、がんに関する誤った情報や、現時点で科学的根拠が認められている予防法を紹介している。
たとえば、「料理の“コゲ”を食べるとがんになる」といわれていて、肉や魚のコゲに含まれるヘテロサイクリックアミン類という物質には発がん性があることが動物実験で分かっている。しかし人間で考えると、毎日、茶碗1杯分のコゲを食べ続けた場合のもので、日常、食べる量では発がんの心配はないという。
他にも、部位別がんの予防法を紹介。肺がんなら、禁煙はもちろん、果物や緑黄色野菜に含まれるカロテノイド摂取による予防効果は確かだという。(祥伝社 780円+税)