全聾もウソ NHKも心酔した佐村河内守の凄まじい演技力

公開日: 更新日:

 佐村河内は、バイオリンに近い左ではなく、右の耳で聞くことで、音を客観的に知ることができるとアドバイスしたという。

 これが事実なら“神の手”だが、週刊文春に告発したゴーストライターは「手話や読唇術を使ったふりをしていても、熱がこもってくると、普通の会話になる」と語っている。つまり、耳は聞こえていたのだろう。

■気性の激しいアーティストに成り切って…

 一方、自宅での作曲風景の撮影シーンでは、<(周りの視線が気になって)音楽室での作曲を中断し、「落ち着かん」と言ってカメラを抑え、外に出て行ってしまいました>と取材班を威嚇してみせながら、その数日後、「お互いを、家族として考えるのはどうだろう?」と歩み寄る。

「家族と思えば、(お互いが)家の中にいるのは当然。話しかけたいときに話しかけ、近くにいてほしくないときに『あっちに行って』と言える」

 いかにも“気性の激しい芸術家”らしい名ゼリフ。本は、こうした名演がズラリで、取材班がダマされるのは無理もないか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た

    大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た

  2. 2
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  3. 3
    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

  4. 4
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 7
    浜辺美波は順風満帆、趣里は「ブギウギ」のインパクトが…NHK朝ドラヒロイン“その後の明暗”

    浜辺美波は順風満帆、趣里は「ブギウギ」のインパクトが…NHK朝ドラヒロイン“その後の明暗”

  3. 8
    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

  4. 9
    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚

    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚会員限定記事

  5. 10
    山下智久「ブルーモーメント」急失速は出口夏希の中国語が原因? 興奮すると飛び出す“ナゾ設定”

    山下智久「ブルーモーメント」急失速は出口夏希の中国語が原因? 興奮すると飛び出す“ナゾ設定”