菅原文太さんが残した“遺言” 「日本はいま危うい局面にある」

公開日: 更新日:

連載「注目の人直撃インタビュー」2013年8月29日号より】

 集団的自衛権を巡る憲法解釈の見直しや自衛隊の海兵隊化――と、参院選後の安倍首相は露骨に右傾化を強めている。そうしたきな臭い状況に危機感を抱くのが元俳優の菅原文太さんだ。この夏80歳を迎えた老優は日本の何を危惧しているのか――。

■「今の日本は真珠湾攻撃をした時と大差ない」

毎年8月になると太平洋戦争を思い出します。日本が戦争に負けた昭和20(1945)年当時、私は小学6年生で、宮城県栗原郡(現・栗原市)の小さな村に住んでいました。

 敗戦が近づいた頃のこと、仙台の街がB29の空襲を受けましてね。家の屋根に上ってかなたを見ると、夕暮れの薄暗がりの中で爆撃機がパラパラと焼夷弾を落とし、一面に炎が立ち上る光景が見えました。仙台とは100キロも離れているのに、無数の爆弾がまるで七夕の銀色の短冊のようにキラキラ光り、街全体を炎で赤く染めていたのをよく覚えています。

 空襲は受けたけど、怖いとは思いませんでした。都会から離れたところに住んでいたこともありますが、大人の話を聞いて日本は勝つと信じていたからです。敵艦を何隻轟沈したという発表が幾度もあり、大人たちが「日本は勝ってる」と言うものだから、子供心に「日本は強いんだ」と信じていたんです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  1. 6

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  2. 7

    投手大谷の「オープナー起用」は逆効果…ド軍ブルペンの負担は軽減どころか増す一方

  3. 8

    "花田家と再婚"は幸せになれる? 元テレ東・福田典子アナに花田優一との熱愛報道も…恋多き一族の因縁

  4. 9

    ソシエダ久保建英にポルトガル名門への移籍報道…“あり得ない振る舞い”に欧州ザワつく

  5. 10

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”