放送評論家・松尾羊一氏 ラジオ界の“限界集落化”を嘆く
6月に「第52回 ギャラクシー賞 志賀信夫賞」を受賞した放送評論家の松尾羊一氏(85)をゲストに3日、「ラジオの戦後70年」研究会が行われた。
放送作家の石井彰氏(60)を聞き手にラジオの歴史を振り返る催しで、1952年開局の翌年、文化放送に入社した松尾氏はデンスケ(ショルダー式携帯録音機)を担いで街に繰り出し、録音構成番組を大当たりさせたエピソードなどを披露。その後も深夜放送や生ワイド番組などラジオ黄金期を経験したという。
だが、今やラジオは「聴取者が減り、スポンサーが消え、予算も人員も削られ、限界集落化してしまった」と嘆く。
「地方で成功しているラジオもある。道の駅やPA(パーキングエリア)の人気が盛り返したように、ラジオを“無限界”にする方法はいくらでもある。若い人はラジオを聴かないと決めつけずにラジオも変わっていくべき」と提案。
低迷長引く古巣の業界にハッパをかけた。