市川由紀乃に歌手“再出発”を決意させた大作曲家の笑顔

公開日: 更新日:

 演歌歌手は男と女の情念、情愛を歌う、繊細な表現力と同じくらいに、タフな精神力を要求される。ヒットを望む周囲の期待に応え、どれだけ努力しても報われない日々がほとんどだからだ。歌手の市川由紀乃さん(39)も、心が折れて疲れ果て、ステージに立てなかった4年半がある。

■歌の世界を離れてからは「歌番組」も見なかった

 私が25歳のときのことです。歌も人生も一歩も前に進めなくなり、事務所の社長に「辞めます」と言って、新宿の天ぷら屋さんで働くことにしたんです。17歳でデビューして以来、歌の世界だけで生きてきたので、履歴書を書くのも初めてで……。最初の1年間は歌番組も見ませんでした。

 歌とのつながりといえば、作曲家の市川昭介先生(享年73)の毎年の同門会。大先輩の畠山みどりさんらが、辞めた私にもお便りを下さり、顔を出させていただいていました。先生は「今どうしてるの?」と優しい笑顔で迎えてくださり、私の話に耳を傾けてくれました。どうして辞めたのかとか、問い詰めるようなことは一切ありません。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲