二田一比古
著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

休業ではなくあえて「引退」…ブルゾンちえみから学ぶこと

公開日: 更新日:

 吉本の強さは芸人の数だけでなく、卓越した芸を持つ人が次々と出てくること。東京のタレントではなかなか太刀打ちできない。先日「行列のできる法律相談所」に引退するブルゾンちえみが最後の出演。準レギュラーとして3年間出ていたそうだが、吉本芸人の前では歯が立たず。「面白くない」という声が圧倒的だった。本人も自覚していたそうで「賞味期限切れ」と引退を決意したという。

 ブルゾンは事務所の「タレントコース」に入っていた。芸能事務所は本来、歌手・俳優・芸人らを養成するのが、タレントも養成する時代だと気づく。

「タレントの基本はおしゃべり。教えるよりもその子が持っているしゃべりのセンスを見抜けるかにある。後は元モデルなど肩書があれば即戦力。それだけバラエティーは需要が多い」(芸能関係者)

 最近の芸能界志望者は「テレビに出たい」「タレントになりたい」と漠然とした理由が多い。本来、「芸人になりたい」「俳優として映画に出たい」という明確な目的意識が薄れている。憧れだけで芸能界に入っても、おしゃべりだけでタレントはなりやすい。それでも売れるのがバラエティーの魔力でもある。ブルゾンも瞬間的に売れたが、やがて芸能界での目的を失ったように迷走していたように見えた。休業ではなくあえて引退を選んだブルゾンから学ぶことは多い。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  3. 3
    17億円の損害賠償「払う気ない」と発言…「漫画村」運営者の言い分は通るのか

    17億円の損害賠償「払う気ない」と発言…「漫画村」運営者の言い分は通るのか

  4. 4
    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  5. 5
    浜崎あゆみの足の形は日本人の中では少数派だった! 過去には池田エライザも話題に

    浜崎あゆみの足の形は日本人の中では少数派だった! 過去には池田エライザも話題に

  1. 6
    だれもが首をひねった 演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎

    だれもが首をひねった 演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎

  2. 7
    浜崎あゆみ FNS歌謡祭で「Who...」熱唱も…またもや“別人疑惑”、「まさにwho?」の声も

    浜崎あゆみ FNS歌謡祭で「Who...」熱唱も…またもや“別人疑惑”、「まさにwho?」の声も

  3. 8
    木村拓哉ドラマはなぜ、いつもウソっぽい? テレ朝「Believe」も“ありえねえ~”ばっかり

    木村拓哉ドラマはなぜ、いつもウソっぽい? テレ朝「Believe」も“ありえねえ~”ばっかり

  4. 9
    「小池都知事はエジプトのエージェント同然」カイロ大の体質を知り尽くすジャーナリストが看破

    「小池都知事はエジプトのエージェント同然」カイロ大の体質を知り尽くすジャーナリストが看破

  5. 10
    明石家さんまSPドラマ『心はロンリー』はフジの“忖度接待”作品? 辛辣感想に誤解も混じる

    明石家さんまSPドラマ『心はロンリー』はフジの“忖度接待”作品? 辛辣感想に誤解も混じる