田中幾太郎
著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

島倉千代子をスターダムに押しあげた作詞家・野村俊夫

公開日: 更新日:

 福島三羽ガラスの古山裕一(窪田正孝)、村野鉄男(中村蒼)、佐藤久志(山崎育三郎)。第14週までは、3人が揃うのは村野が経営するおでんの屋台での場面がほとんど。第15週(9月21日~)でようやく、仕事でも福島三羽ガラスが一緒になって活躍するシーンが描かれる。

 古山が作曲して、村野が作詞して、佐藤が歌う。そうして3人が揃い踏みして出した初めてのレコードが戦時歌謡「暁に祈る」である。同名の映画の主題歌だったこの曲は大ヒットする。今回は村野のモデルである作詞家・野村俊夫にスポットをあてる。

 1940年に発売された「暁に祈る」はどれくらい売れたのだろうか。レコード販売枚数の総数は調べきれなかったが、43年8月~44年8月の1年間で4万1000枚が売れたと記録に残っている。これで「大ヒット」というのは首を傾げざるをえないが、太平洋戦争ですでに日本が劣勢に立たされていたことを考えれば、この数字は凄い。物資が市場からどんどん消えていた時代なのだ。空腹にあえぎながらも、音楽に渇望する人々がたくさんいた証拠だろう。戦時歌謡といっても、野村俊夫の書く詞はどこか物悲しかった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  3. 3
    17億円の損害賠償「払う気ない」と発言…「漫画村」運営者の言い分は通るのか

    17億円の損害賠償「払う気ない」と発言…「漫画村」運営者の言い分は通るのか

  4. 4
    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  5. 5
    浜崎あゆみの足の形は日本人の中では少数派だった! 過去には池田エライザも話題に

    浜崎あゆみの足の形は日本人の中では少数派だった! 過去には池田エライザも話題に

  1. 6
    だれもが首をひねった 演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎

    だれもが首をひねった 演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎

  2. 7
    浜崎あゆみ FNS歌謡祭で「Who...」熱唱も…またもや“別人疑惑”、「まさにwho?」の声も

    浜崎あゆみ FNS歌謡祭で「Who...」熱唱も…またもや“別人疑惑”、「まさにwho?」の声も

  3. 8
    木村拓哉ドラマはなぜ、いつもウソっぽい? テレ朝「Believe」も“ありえねえ~”ばっかり

    木村拓哉ドラマはなぜ、いつもウソっぽい? テレ朝「Believe」も“ありえねえ~”ばっかり

  4. 9
    「小池都知事はエジプトのエージェント同然」カイロ大の体質を知り尽くすジャーナリストが看破

    「小池都知事はエジプトのエージェント同然」カイロ大の体質を知り尽くすジャーナリストが看破

  5. 10
    明石家さんまSPドラマ『心はロンリー』はフジの“忖度接待”作品? 辛辣感想に誤解も混じる

    明石家さんまSPドラマ『心はロンリー』はフジの“忖度接待”作品? 辛辣感想に誤解も混じる