8歳で来日したサヘル・ローズさん 母と日本で極貧の日々も
サヘル・ローズさん(34歳/タレント・女優)
イラン・イラク戦争のさなかの1989年、4歳で孤児院に預けられ、8歳の時に、引き取ってくれた母フローラさんと来日したサヘル・ローズさん。日本では母との貧乏暮らしが続き、中学ではイジメにあって自殺を考えたこともあった。
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12人きょうだいの末っ子として生まれたと聞いています。イラン・イラク戦争のさなかだったので、今でも花火の音を聞くと空爆の音のような気がして気持ちが悪くなります。
4歳の時にテヘランの孤児院に入りました。200人ぐらいの孤児がいて、10人の孤児に対して職員は3人。大きな部屋にベッドがズラリと並んでいてベッドの上が唯一私のスペースで。施設では常にいい子でいました。悪いことをするとご飯を食べさせてもらえないかもしれないと大人の顔色ばかりうかがっていましたね。
92年、7歳の時にお母さんのフローラに引き取られました。母と対面した時、ひと目見て「あ、お母さん」ってペルシャ語で呼んでいたんです。お母さんも「この子が私が育てる子なんだ」って思ったそうです。今でも不思議な縁だなって思います。お母さんはテヘラン大学の心理学の大学院生で将来は教授になる人でした。ところが戦争で夢を閉ざされ、いろんなことを犠牲にしたんですよね。