コロナ禍の今こそ渡辺えりは救われた「本職」に精を出す
「今も下積みよ。だって食えないんだもん、自分の演劇で」(渡辺えり/フジテレビ「ボクらの時代」11月22日放送)
テレビや映画では名バイプレーヤーとして活躍。企画集団「オフィス3○○(さんじゅうまる)」を主宰する劇作家・演出家としても、数多くの舞台を作り出してきた渡辺えり(65)。彼女が語った言葉を今週は取り上げたい。つまり、彼女の「本職」は演劇に他ならないのだ。
山形県に生まれ、祖母や両親から夜ごと、ふるさとの民話や童話を読み聞かせられた渡辺は、夢見がちで物語好きな子供に育った。物語の続きを自分で作るようになり、それを周りに聞かせると喜んでくれるので、それがうれしくて、また物語を作るような明るい子供だった。
小学校に入学すると、その大きな体が原因でイジメにあうようになり、2年間近く不登校児になってしまった。それが変わるきっかけになったのが、2年生の終わり頃に行われた学芸会。そこで犬のお母さん役を演じた彼女は喝采を浴びた。
3年生の担任は作文を書いたり、歌を歌ったりすると、みんなの前で褒めてくれた。やがて自信がつき、5年生の頃には初めて脚本を書いて演出・主演を務め、大好評を得た。そして演劇にのめり込んでいった。