M-1王者マヂカルラブリーは漫才か否か 止まない白熱論争
「漫才の厳密な定義は難しい」
優勝後の会見で、野田は「突き詰めていったら、このスタイルになっていった。僕の口数も減ってきて。動きのほうが好きなのかな。でも“しゃべくり漫才”もありますよ。ラジオもやってますし」と言って笑わせた。お笑い評論家のラリー遠田氏はこう話す。
「漫才でも途中から、『おまえ、コンビニの店員やって。俺、お客やるから』などとコントに入っていく展開は多く、漫才とコントの垣根はあいまいです。今回のふたりのネタは、動きでボケる野田さんに対し、村上さんは役に入らず、観客目線でツッコんでいるので、コントではなくて漫才と言えると思います。いずれにせよ、漫才の厳密な定義は難しいです」
審査員の松本人志(57)は、決勝戦ファーストラウンドでは、「おいでやすこが」の王道のボケとツッコミによる歌ネタを「単純明快なんだけど笑ってしまう」として95点(10組中1位)を付けた。「マヂカル」については「最初に最大瞬間風速はあったんだけど、それ以上の風は吹いていない」として93点(同2位)。結局、上位3組による“最終決戦”でも、「おいでやすこが」に1票を入れた。
そういう松本も、ダウンタウンのデビュー時は、やすしきよしの横山やすしに「おまえらのは漫才やない、チンピラの立ち話や」と酷評されたのは有名な話。時代と共に漫才も形を変えていくことは必然だろう。