但馬牛の世界農業遺産で注目 100年以上の血統管理の凄さ「牛籍簿」とは?
■日本が誇る和牛の血統管理
一体、何がすごいのか? 牛の血統登録をするために日本が誇る和牛の血統管理。ずばり、『牛籍簿』の存在です。
1897年(明治30年)頃、日本で初めての牛の戸籍づくりが始まりました。良い母牛からは娘の牛に良い資質が伝えられるという考え方を基に、人の戸籍と同じように、両親や生年月日、出生地などを記録した牛の戸籍【牛籍簿】をづくりが始まったのです。この記録を利用して、よい牛を生ませ、その遺伝子を繋げていく正確な牛の血統管理が始まったのです。それが、1948年(昭和23年)和牛の血統登録が日本全国で始まることに繋がったのです。
実際に、私も但馬牛博物館で見てきました。つまり、誰々さんちには、どういうメス牛がいて、どういう種ををつけて、どういう仔牛が生まれて、どこに行ったか? が、家ごとに記録されています。牛籍簿を基に整理された血統をさかのぼり、但馬牛の系統に分類するのにも役立っています。牛籍簿をさかのぼることで和牛の先祖に辿り着く。もうロマンしか感じません。