難関突破に“頭の良さ”関係なし! テキストの「ストーリー化」で要点把握と時間効率UP
「記憶力がないから成績が上がらない」「記憶力がないから仕事でもミスをする」……。
こんなふうに、もともとの記憶力や暗記力が悪いから、勉強や仕事で思うような成果を出せないと悩んでいる人は多いと思います。しかし実は、もともとあなたが持っている記憶力はそのままで、望む結果を手に入れることは十分に可能です。脳の仕組みを研究した精神科医の樺沢紫苑さんが、「記憶」と「学び」について20年以上試行錯誤してたどり着いたノウハウをわかりやすくまとめた『記憶脳』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けします。
◇ ◇ ◇
2014年の秋、「ウイスキー検定」が開催されるという情報を知り、ウイスキー好きの私は、すぐに受検しようと決めました。そして、第1回ウイスキー検定2級を受検し、無事合格しました。
驚いたことに、認定証には成績が記載されていて、私の成績は89点、受検者1379人中、59位でした。ちなみに、70点以上が合格です。私が受検したときの「2級」の合格率は、45.5%。検定試験としては、かなり難しい試験となったようです。
「89点か。樺沢も、偉そうに記憶術を語る割にたいしたことないな」と思われた方もいるでしょう。しかし、重要なのはこの試験のために私は5日間しか勉強しなかった、ということです。「勉強しなかった」というと偉そうですが、いろいろと仕事が立て込んでいて、5日間しか勉強できなかったのです。
さて、試験からさかのぼること1ヶ月。ウイスキー検定はテキストだけで200ページ以上あって、ウイスキーの歴史、製法から、個別のウイスキーの特徴まで、覚えるべきことは山ほどあります。じっくりと勉強したいところですが、なにぶん仕事も立て込んでいたので、何週間も時間をとってじっくり勉強する暇はありません。最短時間で合格を目指さなければいけない。
そんなとき、「ウイスキー検定対策講座」なるものが開催されることを知りました。検定試験の約1ヶ月前ということで、勉強し始めるタイミングとしてもピッタリです。すぐに申し込むことにしました。
スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)代表で「ウイスキー検定」の監修者、出題者でもある土屋守先生が、ウイスキーの歴史、製法、地域別ウイスキー、個別ウイスキーの特徴まで、その膨大な出題範囲を3時間ほどで解説する。土屋先生のユーモアあふれる話しぶりも鮮やかで、検定試験を受検するということも忘れて、「ウイスキーとは何か?」「ウイスキーの魅力とは何か?」が存分に学べる素晴らしい講座でした。