新入社員サマの“VIP待遇”より深刻…「アラサー教育係」の憂鬱
生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏は「売り手市場で、どの企業も人材確保に奔走する中、とにかく新入社員に辞められたら困る。少々の欠点には目をつぶり、半年ぐらいは丁重に扱って様子を見るという企業も少なくないようです。下手な指導でへそを曲げられたくないからと、ほぼ放置状態なんて会社もあると聞きますね」と話す。
■並大抵じゃないプレッシャーが
新入社員サマのVIP待遇の是非はさておき、より深刻なのは若手の中堅社員らしい。前出の総務担当者が明かす。
「新人にすぐに辞められて責任を取らされるのも割に合わないので、誰も面倒を見たがらないんですよ。ウチの会社に限らず、結局、年齢が近いほうがいいだろうと30歳前後の社員に“教育係”を任せるパターンが多いようですが、その教育係が〈やってられない〉と転職してしまったり、心が折れてしまったり。そっちの方が現場のダメージが大きいんです」
前出の柏木氏も「貴重な人材とはいえ、宇宙人のような新人を押しつけられた側のプレッシャーは並大抵じゃないでしょう」と口を揃える。
ちなみに冒頭の入社初日から出勤しなかった新人女性は、前日に彼氏の家にお泊まりして朝帰りだったそうだ。