女子マラソン前田彩里 「世界」当確でも本番苦戦必至の理由

公開日: 更新日:

 8月の世界陸上(中国・北京)の選考会を兼ねた名古屋ウィメンズマラソン(8日)は、昨年のアジア大会金メダルのキルワ(バーレーン)が2時間22分8秒で優勝。3位で日本人トップの前田彩里(23=写真)は、15キロの給水所で転倒しながらも2時間22分48秒の日本歴代8位のタイムでゴールした。

 レースはペースメーカーが外れた30キロすぎにキルワが飛び出し独走。マラソン2度目の前田は必死に追いかけるも、その差は最後まで縮まらなかった。それでも日本女子では07年の野口みずき以来となる23分切りを達成。8月の世界陸上の代表に選ばれることは間違いない。この新星に多大な期待がかかることが予想されるが、北京では苦戦必至だ。

 近年の北京は急速な経済発展により、夏は異常な暑さだ。昨年も記録的な猛暑で7~8月は午前8時から35度を超えた。

 マラソン王国のケニアやエチオピアの選手は心肺機能を高めるために2000メートル級の高地で練習を積んでいる。だから「意外に暑さに弱い」とも言われているのだが、アフリカ勢は賞金や報奨金、スポンサー契約につながるビッグレースはめっぽう強い。ちなみに世界陸上は1位から8位まで賞金が出る(1位は6万ドル)。暑い11年大邱大会はケニア勢がメダルを独占。13年モスクワ大会はケニアのキプラガトが連覇した。銅メダルの福士加代子は2位に2分近く引き離されて2時間27分45秒。ここまで時計が遅くならないと日本選手の「出番」はない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

  2. 2
    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

  3. 3
    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

  4. 4
    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

  5. 5
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  1. 6
    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

  2. 7
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 8
    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

  4. 9
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異