住友電工陸上部監督就任の渡辺氏 “米国流”トレ決めた理由

公開日: 更新日:

 現役時代の渡辺氏は慢性的なアキレス腱痛に苦しみ、引退を余儀なくされた。ある関係者は、「科学トレに対する思いが強いのは、選手に自分と同じ思いをさせたくないからです」と言ってこう続ける。

「地面の蹴りが強い選手はアキレス腱を痛めやすい。選手時代の渡辺がそう。ロードで長い距離を走らされてつぶされた。同じような蹴りの強い走りをする大迫には故障しないよう細心の注意を払い、ロードを走らせる練習はさせなかった。箱根駅伝で優勝した青学大がグラウンドの外周に土で盛ったクロスカントリーのコースを造ったのもケガを防ぐためです。でも、ベテラン指導者は、それで結果を残したこともあるからロードを走らせる。しかも勉強不足。高強度低回数の質の高い筋力トレや、柔軟性と体幹を鍛えることが故障を防ぎ、効率のいい走りにつながることも知らない。頭の固い指導者が日本のマラソンを後戻りさせてきたのです」

 この日の会見では同社の松本正義社長(70)が、駅伝重視の陸上界を「ガラパゴス状態」とバッサリ。「日本の陸上は練習のやり方に問題がある。サイエンスを入れてやってほしい」と言った。そこまで言ったら結果を出すしかないが、陸連の宗猛マラソン部長はこの声をどう聞くか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  2. 2
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  2. 7
    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

  3. 8
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 9
    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

  5. 10
    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?

    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?