本人は気づかず打撃 医者が驚いた清宮幸太郎「2度の腰骨折」
中学1年が終わろうとする冬の練習中、清宮幸太郎(16・早実)に異変が起こった。打ってファーストを駆け抜けた瞬間、うずくまって動けなくなった。腰の疲労骨折だった。
医師によると、おそらくスイングスピードの速さに、体が耐えきれなかったのだろうとのことだった。筑波大の協力で身体能力をテストしたことがある。スイングスピードは133.4キロ。大学生の平均より高く、チームメートを凌駕していた。
腰の骨折を診断した医師はさらに、驚くべき事実を発見した。腰には別の骨折の形跡があり、すでに自然治癒しているという。おそらく小学生の時に折れていたのではないかということだった。
幸太郎はその事実を知らなかった。小4で野球に専念するまで、ラグビーも掛け持ちしていたが、折れたことに気づかないままプレーしていたことになる。
中1の夏まで指導した北砂リトルの日高淳二監督(43)は、「その話は初めて聞きました」とこう語る。
「腰が折れていたなんて、そんなそぶりは一切見せなかったですね。小6の時、投げすぎで肩を痛めたことはありましたけど、打撃はずっとやっていましたし、そもそも腰が折れていたら、バットは振れなかったはずです」