“天敵”八木を攻略 広島「値千金の1勝」で3位巨人を射程内に
広島にとっては千金に値する1勝だ。
8日の中日戦で、ようやく“天敵”左腕の八木を5回3得点でKOした。これまで八木と5度対戦し、1勝3敗、防御率0.60。勝った試合もソロ1本、5試合で2点しか取れず、「広島キラー」の名をほしいままにされていたのだ。
それがこの日は初回にエルドレッドが2ラン。五回には捕手のエラーで加点し、チーム全体では4安打ながら、初めて八木を降板に追い込んだ。投げてはエースの前田が7回無失点でハーラートップの12勝目を挙げた。
3位巨人とはこれで3ゲーム差。残り22試合で逆転できない数字ではない。しかも、直接対決で10勝7敗1分けと相性の良い阪神戦を7試合も残している。
懸念があるとすれば、前日まで6勝12敗と苦手にしていた中日戦がそれだった。8月には3連戦の初戦で黒田が八木に投げ負けると、立て直せずに3連敗。このまま中日にカモにされていては、3位浮上どころではない。そんな雰囲気をエースと4番が吹き飛ばした。
お立ち台ではエルドレッドが「マエケンを楽にさせたかった」と話せば、インタビュアーに自身の球数を聞かされた前田は、「え、111球も投げたんですか? ……もっと少ないといいんですけどね」と、本拠地のファンを笑わせた。天敵を下したことで中日に対する苦手意識が払拭できたとすれば、この1勝は大きい。
ちなみに直接対決2試合を残す3位巨人には14勝9敗。赤ヘル軍団の反攻に巨人は背筋が寒くなってきたに違いない。