他球団選手の自主トレに「真剣勝負できるのか」と疑問符

公開日: 更新日:

 人気野球漫画「グラゼニ」の原作者である漫画家の森高夕次氏は、「選手同士の馴れ合いとルール変更が重なり、さらに野球の面白味が欠ける気がします」と、こう語る。

「70年代の巨人では、柴田勲が年上の土井正三を呼び捨てにしていたという。高卒の柴田は大卒の土井よりも先にプロ入りしていて、プロのキャリアが長いほうが偉いという風潮が垣間見え、真剣味というかプロの厳しさが感じられます。しかし、プロ野球界でフロントでも現場でも大卒というブランドが重宝されるようになってから様子が変わり始めたように思う。大学での先輩、後輩という関係性がプロ野球界を侵食し、プロの年数よりも『学年』が優位になり、セカンドキャリアを含めた将来のことを考えれば、練習前に挨拶をしたり、グラウンド外での人間関係にまで気を使わなければいけなくなります。ルール変更についても、今の時代はムチャなことをしたらすぐさまネットで叩かれる。なるべくお行儀よくしましょう、という社会的なコンプライアンスの問題も影響しているのかもしれません」

 そして森高氏は、「真剣勝負といえば、90年代に野村ヤクルトと長嶋巨人がライバルとして戦ったということが最後かもしれません。当時は内角攻めで死球が多く、乱闘に発展することもあった。今は破天荒で個性的な選手もほとんどいなくなっていると感じる」とも言う。

 プロ野球をこれ以上つまらなくしないためにも、まずは、他球団の選手との自主トレを一切禁止にすることだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  3. 3
    試合ガタ減り、選手クーデター未遂…“不毛の8年”で晩節汚した青木功JGTO会長ついに退任

    試合ガタ減り、選手クーデター未遂…“不毛の8年”で晩節汚した青木功JGTO会長ついに退任

  4. 4
    岸田自民は補選「全敗」確定情報…島根1区も水面下で“白旗”揚げちゃった? 党幹部すら諦めモードの末期状態

    岸田自民は補選「全敗」確定情報…島根1区も水面下で“白旗”揚げちゃった? 党幹部すら諦めモードの末期状態

  5. 5
    ソフトB山川穂高を直撃「古巣への不義理、SBファンの拒否反応をどう思っていますか?」

    ソフトB山川穂高を直撃「古巣への不義理、SBファンの拒否反応をどう思っていますか?」

  1. 6
    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

  2. 7
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  3. 8
    「アンメット」の“三瓶先生”にハマる視聴者続出!杉咲花も惚れた若葉竜也「無愛想な魅力」の原点

    「アンメット」の“三瓶先生”にハマる視聴者続出!杉咲花も惚れた若葉竜也「無愛想な魅力」の原点

  4. 9
    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

  5. 10
    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ