<第1回>岡崎慎司の真価を証明したアフガン戦のゴール
日本代表で強豪の韓国や中東勢以外の、ややレベルの落ちる東南アジア勢と対戦した時、サイドに開いていても、中央にポジションを変えても相手DFにマンツーマンで張りつかれたことがあった。さすがに近代サッカーでは、1トップくらいしか密着マークを受けることはなくなった。
そこで先月24日のW杯2次予選・アフガニスタン戦での岡崎慎司選手のゴールである。序盤から厳しいマークに遭いながら、岡崎選手はゴール前でタテパスを受けると時計回りにターンしながらマークを外し、カバーに入った選手の股間を抜いてボールを置き直し、最後は冷静にゴール左下を狙って流し込んだ。
あのゴールをマグレと言ったら岡崎選手に失礼だが、もう一度、同じ状況で同じプレーをやった上でゴールを決められるかといったら、多分できないと思う。ただし、右足インサイドでトラップする、反転する、正面の選手の股を抜くといった一連の動作は、岡崎選手が「ゴールに至るまでのイメージ」をきちんと持っていたからこそ、だ。
ボク自身、ボールを受ける前から次のプレーをイメージしていた。しかし、実際の試合では相手がいるので、イメージを取捨選択しているような時間的余裕はない。