代表とクラブでは別人 C・ロナウド“2つの顔”本物どっち

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「6月10日からフランスで開催されたユーロ2016(欧州選手権)で目の当たりにしたポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド。12月に横浜でクラブW杯の優勝を懸けて鹿島と戦ったレアル・マドリードのロナウド。この“2人”は、とても同一人物とは思えませんでした」

 そう話すのはフリーカメラマンの六川則夫氏である。

「ユーロのロナウドは鬼の形相を浮かべ、全身全霊を捧げてプレーしていた。攻撃のお膳立てからフィニッシュまで『すべてオレひとりでやってポルトガルを欧州王者に導く!』という凄まじい気迫が、レンズ越しにビンビン伝わってきました」

 一方、クラブW杯決勝でのロナウドは、序盤から主戦場の左サイドで所在なげに突っ立っているシーンが多く、テレビ解説の元日本代表監督の岡田武史氏に「ロナウド、大したことないねぇ」とコケにされる始末だったが、前出の六川氏は「岡田さん、ロナウドのプレーをあまり見てないのでしょうか? 見立て違いです」と言う。

「もちろん鹿島戦でもそうでしたが、レアルのロナウドは『流している時間帯』が多く、鹿島戦なんて『サボっている』と表現してもいいくらいでした。W杯常連の列強国の主軸ばかりのレアルでロナウドは『ゴールを決める』ことだけに集中すれば良く、それ以外は手抜きでもOKです。鹿島戦の前半9分にFWベンゼマが先取点を決め、ロナウドはムリする必要がなくなり、1-2とリードされてから本気モードのスイッチが入り、3ゴールを決めてクラブ世界王者となった。『大したことないねぇ』ではありません。サラリと流しながら、ここぞという局面で涼しい顔をしてゴールを決める。それがレアルのロナウドなのです」

 マッチアップした鹿島の選手たち。スタジアムの観客。テレビ桟敷のファン。だれもがロナウドの本領を確認した──。

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