清宮95号場外弾でも敗退 早実“ラグビー野球”の落とし穴
今秋ドラフトの超目玉、早実(東京1位)の清宮幸太郎(3年)が、22日午前に茨城・ひたちなか市民球場で行われた関東大会準々決勝・作新学院戦(栃木2位)に「3番・一塁」で出場。3打数無安打で迎えた八回の第4打席でカウント1-0から右翼場外へのソロ本塁打。高校通算95号としたものの、投手陣が打ち込まれてチームは敗退。4強入りはならなかった。
早実は大味な展開の試合が目立つ。
今年に入りこの試合の前までで、センバツを含む公式戦9試合で1試合平均11得点の強力打線は健在だが、一方で同平均7失点と「投壊」の課題もそのまま横たわる。だから早実の試合は、ラグビーのような点の取り合いになる。
スポーツライターの美山和也氏はこう言う。
「いかにも早実らしい試合ですね。新チーム結成以来、9点取られても10点取るという野球を一貫してやっている。これまで早実は公式戦2敗。明治神宮大会で履正社に6-11、今春のセンバツでは、それほど前評判が高くなかった東海大福岡に8-11。たとえ負けても点は取る打線が全国屈指なのは間違いない。半面、清宮が1年生の頃から投手力が課題と言われ続けている。この野球では全国で通用しないとセンバツで露呈したわけです。新1年生の中に、エースとしてこの夏を任せられる投手は入っていないと聞きます。春夏連続出場を果たしたとしても、この春のように相手次第で1回勝てば……といったところ。はっきり言って全国制覇は厳しいですね。先日の招待試合では甲子園で3季連続4強の秀岳館に1-5で完敗。これが今の全国トップとの差です」