事実上のクビ…イチロー現役引退の裏にマリナーズとの暗闘

公開日: 更新日:

 イチローの思いとは裏腹に、マリナーズは若返りが急務だった。昨シーズン終了後、主力を片っ端から放出するファイアセールを敢行。エースと抑えと主砲をトレードやFAで出す見返りに、数々の若手有望株をゲット。「我々は若手が成長するであろう2020年に照準を合わせている」と、ディポトGMは来年以降が勝負であることを隠そうとしなかった。

■マリナーズにとっての功労者だけに

 それでもマリナーズにとって、イチローは今回の日本開幕の目玉。結果にかかわらずマリナーズのユニホームを着せ、試合で起用することは商売上の大きなメリットがあった。しかし、日本開幕が終われば、チームに置いておく必要性はまったくない。若返りが急務なマリナーズにとっては、むしろ邪魔なだけだった。

 イチローは野球殿堂入りが確実視されているスーパースター。クスリを使ってまで本塁打を量産する風潮に辟易していた米国のファンを、類いまれなバットコントロールとスピードで魅了した。マリナーズにとっても功労者だけに、不要だからと肩をたたいたり、むげにクビを切るわけにいかなかった。イチローが自分から辞めると言い出すのを待っていたのは明らかだし、オープン戦で結果が出ないことを自覚させ、引退せざるを得ない状況に追い込んだのも事実だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

  3. 3
    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

  4. 4
    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

  5. 5
    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

  1. 6
    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7
    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

  3. 8
    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

  4. 9
    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異