安倍昌彦
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安倍昌彦スポーツライター

1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

“真っすぐ”のスプリットはベースの上でスッと浮力が消える

公開日: 更新日:

立野和明(東海理化)

 今は熱心な野球ファンにしか知られていない2人だが、3年後、5年後、多くの「国民」にその名を知られる投手になっているはずだ。

 無名でも、投手としての実力があって、その投げっぷりに心打たれれば、ミットを構えて、「さあ、ここだ!」と受けたくなるものだ。

 立野和明の全力投球を受けたのは先々週だ。

 中部大一高から入社して3年目のまだ21歳。181センチ、81キロのユニホーム姿が、マウンドに立つとひと回り大きく見える。

 長い手足をしなやかに躍らせて、時計の文字盤でいうと<11時>の角度からきれいに投げ下ろす。

 まず、その角度が素晴らしい。定規で真っすぐに線を引いたような<鋭角的>な角度。そして、真上から投げ下ろしているのに、捕球の瞬間、ミットを下からはね上げられるような強烈なバックスピン。ミットを構えて胸の高さの速球は、芯で受けたはずが、ネットで引っかけるようなヘマな捕り方になっていた。

 変化球はスプリットがいい。本人、絶対の自信を持って、速球以上の猛烈な腕の振りから投げ込んでくる。

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