G球団社長が語るイメージ戦略 選手のCM出演もプロデュース

公開日: 更新日:

大舞台で活躍できるのは才能と運

――大げさに言うと、実力より人気のベースがある甲子園のスターを重視するということですか?

「大舞台で活躍ができるのは才能があるわけだし、運もあります。彼らを評価するべきだと思います。それ以外にもドラフト(外れ外れ)1位で取った堀田君はスカウトが地道に見ていて、伸びしろを含めて指名しました。この世界は才能の発掘だと思うんです。どの業界もそうですけど、他の業種に行かないように、野球界にジャイアンツに来てもらえるようにしたい。ジャアンツが盛り上がると人が集まります。一番怖いのは、才能が来ないことなんです」

――野球人口の減少が深刻化しています。

「野球もそうですけど、例えば新聞が売れません。新聞記者のなり手がいません。当然質が落ちますよね? こうなると絶対ダメ。メディア、スポンサー、広告会社、みんな『運命共同体』で同じ船に乗っているんです」

――運命共同体ですか。

「足を引っ張るんじゃなくて、一緒に盛り上げていきましょうよ。そうしないと自分たちの足元も揺らぎますよと。批判を書くのは全く問題ないんです。明確な背骨になる批判は絶対あるべきなんです。でも、自分たちで提言をしないのに、批判するのは日本のメディアの悪いところ。記者の人たちには『提言してください』と言っている。一緒に実現させた方が球団が面白くなっていく。提案した方も面白いじゃないですか。自分のアイデアが形になっていく。それが大きくなったら素晴らしいコンテンツになると思いますけどね」

――今年は東京五輪というビッグイベントがあります。

「ジャイアンツは全面協力します。日の丸のために全力を尽くそうって、みんな思ってますよ。(巨人から)多くの選手を選んで欲しいと思うし、日本のために頑張って世界一になって欲しい。うちは辞退する選手はいません。名誉なことですし、日本野球を世界にアピールする最高の舞台じゃないですか。いつも言うように、それを見て野球を志す子供たちが1人でも多く出てきたら素晴らしい。私は野球選手になりたかったから、ずっとリスペクトしています。凄い能力を備えている人たちの集団ですから」 =おわり

(聞き手=増田和史/日刊ゲンダイ)

∇いまむら・つかさ 1960年5月10日生まれ、59歳。神奈川・横須賀市生まれ。横須賀高、東大文学部を経て85年に日本テレビ入社。プロ野球中継などに携わったほか「ザ!鉄腕!DASH!!」などの人気番組を手掛ける。2015年から17年まで侍ジャパンの事業を担う「NPBエンタープライズ」社長を務めた。19年6月に巨人球団社長に就任した。

【写真特集】2019 NPB AWARDS MVPに坂本勇人
【写真特集】侍J逃げ切り3勝目!プレミア12 日本対メキシコ

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「高校生を指名するのが怖くなった」…プロ球団ベテランスカウトが漏らす苦悩と本音

  2. 2

    自民・高市一派は衆院選28敗に終わる…全国サナエ行脚も虚しく「石破おろし」ご破算の目

  3. 3

    《中日》1位指名した金丸夢斗をパ全球団が“完全スルー”した裏に「カラダの問題」

  4. 4

    育成契約は嫌だった?ドラフトで名のある高校球児が軒並み指名漏れのカラクリ

  5. 5

    小泉進次郎氏サッサと選対委員長辞任…「すべて私が責任取る」で“泥舟からの逃亡”が真意

  1. 6

    岩井姉妹ワンツーフィニッシュでも「客離れ」に拍車…今季33試合のうち20試合がギャラリー減

  2. 7

    デーブ大久保さん(2)長嶋監督に「大洗を買いなさい」と勧められ「ゴルフ場も買えるんですね」と返したら…会員限定記事

  3. 8

    油を取ってスルスルやせる「MCTオイルダイエット」…実践した医師は2カ月で6キロ減

  4. 9

    阿部詩は大号泣、斉藤立も憔悴…ニッポン柔道大苦戦を招いた「全柔連の罪」

  5. 10

    RADWINPS野田洋次郎に“泥酔飲み会”報道 ファンも失望させた表現者としての「ダサさ」