武田薫
著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

バッハ会長と菅総理が確認した「東京五輪開催」の同音異義

公開日: 更新日:

 IOCのトーマス・バッハ会長が来日し菅義偉総理とともに、延期されている東京オリンピックを来年7月に実施することを確認した。新型コロナウイルスの感染が、欧米はもとより国内でも拡大し、ワクチン開発も現在進行形なだけに、3密必至の“祭典”への疑問の声は多い。ある世論調査では国民の80%が開催に反対だという。

■カギは継続性

 文化一般、特にスポーツ関連事業のカギは継続性だろう。続いているから拡大もできれば改善・向上も可能だ。いったん止まると、再び起動させるためには新たなエネルギーが必要になる。満員のスタジアムを取り戻すまでかなりの時間がかかるし、中止されている全国のマラソン大会など半分でも再開すればいい方ではないか。

 肉体は時を待ってくれない。1年休めば1年老いる――IOC会長や菅総理が開催意欲を説いても暖簾に腕押しで国民がしらけるのは仕方ないが、両者の〈開催意欲〉には相違があることを押さえておく必要がある。

 近代オリンピックは創始者のピエール・クーベルタン、第5代会長のアベリー・ブランデージに代表されるアマチュアリズムの本山だった。それがマイケル・キラニンを経て、第7代アントニオ・サマランチがプロ化へ大きく舵を切った。1984年のロサンゼルス大会が分岐点で、その象徴がカール・ルイスだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    愛川ゆず季が告白「長男の自閉症を隠していたわけじゃない。でも言葉にすごくパンチがあって…」

    愛川ゆず季が告白「長男の自閉症を隠していたわけじゃない。でも言葉にすごくパンチがあって…」

  2. 2
    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  3. 3
    中居正広「脱SMAP」成功の裏に“懐刀芸人”あり 自身が仕切る番組の「裏回し」任せ巧みに延命

    中居正広「脱SMAP」成功の裏に“懐刀芸人”あり 自身が仕切る番組の「裏回し」任せ巧みに延命

  4. 4
    愛川ゆず季が2歳で長男の自閉スペクトラム症を確信した“逆さバイバイ” ネット検索で不安のループに…

    愛川ゆず季が2歳で長男の自閉スペクトラム症を確信した“逆さバイバイ” ネット検索で不安のループに…

  5. 5
    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

  1. 6
    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

  2. 7
    石原裕次郎(13)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉

    石原裕次郎(13)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉会員限定記事

  3. 8
    松井稼頭央監督とは対照的…西武“連勝”渡辺監督代行が見せた「芯ある采配」

    松井稼頭央監督とは対照的…西武“連勝”渡辺監督代行が見せた「芯ある采配」

  4. 9
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10
    “超ハイスペ外国人芸人”アイクぬわら 共演未成年少女「自宅連れ込み」で芸能界から退場か

    “超ハイスペ外国人芸人”アイクぬわら 共演未成年少女「自宅連れ込み」で芸能界から退場か